北海道出身の今村容疑者は、札幌市内の小中学校では札付きの不良として地元で恐れられる存在で、地元の暴走族でトップになるなど“ワルの道”を進み、渡邉容疑者とも地元仲間で親交があったという。
今村容疑者と札幌で親交があった男性はこう明かす。
「3桁万円を着服し“めくれた”ため海外逃亡」
「今村は5年ほど前にコールセンターの会社で勤めていましたが、3桁万円の金を着服していたことが会社にバレたのです。今村は数字を操作して会社の業績を良く見せていましたが、それがめくれてしまい、返済する金もない。それがきっかけで、すでに仲間がいたフィリピンに渡ることになりました」
着服が発覚する前は、社内での今村容疑者に対する評価は高く、尊敬のまなざしを浴びていた一面もあったようだ。男性は続ける。
「シャブを打つと『人の感情が全部見える』と言って…」
「今村はほぼ毎日シャブを打ってましたが、打つと本当に覚醒しちゃう滅多にいないタイプでした。打って1週間ぐらい仕事に没頭すると、それまでできなかったExcelを完璧に使いこなせるようになっていたりとか、かなり正確な売り上げの予測値を出してきたりしてました。本人は『打つと人の感情が全部見えるようになる』なんて、恐ろしいことも言ってました。
会社幹部のミスをうまくつつき、『こいつが上にいるからこうなるんだよ?』と蹴落とすこともありました。従業員の心を掴んで『キヨトさん、キヨトさん!』と頼りにされていました」
今村容疑者はコミュニケーション能力が高く、先輩などの顔を立てて尽くし気に入られるタイプでもあったという。別の知人男性はこう話す。
「先輩の財布を使うのが上手かったですね。キャバクラなど夜の店でも先輩をたてる代わりに一切金は払いませんでした。一方、会社の内外で後輩ににらみをきかせ、言うことを聞かせるのが抜群に上手い。今村は同年代では喧嘩が1番強いと有名で、シャブもやってるからか、オーラがヤバいんです。
直接手をあげるわけではないんですが、『指示に従わなければとんでもないことになる』と思わせる、無言の圧がすごかった。今村に『打たねえと金やんねえからな』などと言われ、注射器で無理矢理シャブを打たれた後輩もいたようです」
ビクタン収容所でも今村容疑者は立場が上の人を取り込むのに長けていたようだ。収容所で働くフィリピン人の男性職員は、今村容疑者についてこう語る。