ビッグモーター(BM)の保険金水増し請求に火がついて以降、中古車販売業界では次々と問題が発覚している。BMの大炎上を目の当たりにした業界第2位のネクステージは、同業他社に先駆けていち早く社内調査を実施。先月末、「車検や車体整備の保険金請求に関して不正は確認されなかった」と発表していた。

 ところが、「週刊文春 電子版」が報じた通り、ネクステージにはいくつもの不正疑惑があった。

「タイヤをわざとパンクさせていた」
「店長からボケ、カスと罵倒された」
「社員同士で保険契約数を売買していた」

ADVERTISEMENT

中古車販売業界2位の座につけているが…

本人の代わりに契約書を承認する保険の「代理クリック」が横行

 社員らから寄せられた、不正やパワハラを告発するこうした声を受けて、ネクステージに疑惑の事実関係を質問したところ、同社はいくつかの疑惑が事実だと認めた上で〈適宜対処と対策を講じております〉と回答。不適切、不正な事案は過去のことで、対応済みだと主張した。

 だが、小誌に寄せられるネクステージの “不正”に関する情報は、日を追うごとに増えていった。

 最もわかりやすいのが保険の「代理クリック」契約である。ある現役社員の話。

「見込み客が月内に来ないと保険契約数が下がる。パソコンで本人の代わりに契約書を承認する『代理クリック』は当たり前でした」

 9月11日。小誌は保険に関する不正疑惑、社員の教育方針や社内規定に関する疑問等、30項目についてあらためてネクステージに質した。質問は多岐にわたったが、とりわけ任意保険に関する不正疑惑に関しては、大別、以下の5点について尋ねた。

「保険契約を条件とした、車の販売価格の値引きはあったか」
「本人に代わって契約書を承認する代理クリック契約はあったか」
「架空契約・計上はあったか」
「社員間で保険の契約数の売買はあったか」
「契約時に虚偽の説明はあったか」