ジャニー喜多川氏による性加害の事実関係をジャニーズ事務所が認め、被害者への補償について議論が進むなか、ジャニーズ事務所の資産に注目が集まっている。「週刊文春」編集部が独自に調査したところ、同事務所が都内に500億円以上の不動産を所有していることがわかった。推計では、総資産は約1000億円にも及ぶ。

 記者会見に先立って、元ジャニーズJr.の平本淳也氏(57)が代表をつとめる「当事者の会」は会見を開き、事務所に対して「事実究明・対話救済基金(仮)」の設置を求めた。事務所本体だけでなく、ジュリー氏ら取締役個人、さらにテレビ局などメディア各社にも任意で金銭の拠出を要請した。

地上6階、地下3階の本社ビル

同罪の賠償額はおおよそ300万~400万円

 みずき法律事務所の川本瑞紀弁護士が、補償額について解説する。

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「今回は裁判をしているわけではないので当事者間の合意で決まります。たとえば民事裁判の場合、2017年の法改正で肛門性交、口腔性交は強制性交等罪になった。同罪の賠償額はおおよそ300万~400万円になるケースが多い」

 外部専門家による再発防特別チームが公表した調査報告書によれば、被害者は少なくとも数百人規模で存在する。現行法に照らして判断すれば、仮に被害者が100人だとすると、最低でも3億円の費用捻出は免れられない。

 巨額の賠償が控えるジャニーズ事務所だが、実はまだ十分な資金力を残しているという。その資金力の鍵を握るのが、都内各所に所有する不動産である。