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所見書を手渡した後、母親は取材に応じ、こう述べた。
「子どもたちを安心して預けられる学校づくりをしていただきたいと伝えました。指導課長には、とても重く受け止めていただいた。川口市教育委員会や学校がこれからどう変わっていくか、どういう体制になっていくのかちゃんと見届けたいし、見届ける責任があるのではないかと感じました」
「周りの先生が大げさだと言っても…」
関係教職員の処分を求めない理由としては、こう語っている。
「同じあやまちを犯さないで、辰乃輔のような生徒が現れないようにしてほしい。小さなことでも、些細なことでも、周りの先生が大げさだと言っても、子ども一人一人に丁寧な対応をしてほしいと願っています。辰乃輔は亡くなってしまいましたが、辰乃輔の存在を風化させず、ずっと背負って教壇に立っていただきたいと思っています」
石田達也弁護士も取材に応じ、
「調査報告書を評価しています。1人の命が失われたということをすべての教員が重く受け止め、どんな小さな変化も見逃さない気持ちで教壇に立ってほしい。安心・安全な学校づくりに尽くしてほしいという願いを込めています。
(関係教職員に対して処分を求めないことについては)処分は1回きり、それで全ておしまい。処分を求めないことで、ずっと背負って、ある意味では処分を求めるよりも重いことを求めていることに気がついてほしい」
と話した。今後は検証委員会の設置が注目される。
辰乃輔さんの命日であるこの日、教育長は辰乃輔さんの自宅を訪れて仏前に手を合わせた。