<教育委員会は大ウソつき>というメモを残して自殺した、埼玉県川口市の県立特別支援学校1年の男子生徒・小松田辰乃輔さん(享年15)。
辰乃輔さんが自宅近くのマンションから飛び降りたちょうど4年後の9月8日、母親と弁護士が川口市教育委員会を訪れ、6月に公表された「調査報告書」に対する所見を提出した。
6月に公表された「調査報告書」では、小学校と中学校で辰乃輔さんがいじめを受けていたことや、学校側の対応の不備が認定された。また、辰乃輔さんの4回の自殺未遂、そして自殺といじめとの因果関係も認めている。
いじめ防止対策推進法のガイドラインでは、調査結果について首長に報告する際に、被害児童等やその保護者は所見を添えることができることになっている。
再調査も、職員の処分も求めなかった理由
市長と教育長宛に提出された所見で遺族側が求めた内容は、おおよそ以下の通りだ。
(1)報告書をしっかり受け止める
(2)報告書の内容について、当該中学校で保護者説明会を実施する
(3)関係教職員の処分は求めない
(4)報告書の提言実施のために検証委員会の設置を求める
6月の報告書でいじめや、いじめが自殺の原因になったことが認定されたため、これ以上の調査などは求めず、職員の処分も要求しなかった。その所見の中で、母親はこう述べている。
<学校の教職員は、保護者に代わって、子どもたちを見守りながら、教え、育て、将来に導いてくれる存在です。学校の先生たちは、我が子と同じように、子どもたちを守ってくれるに違いない、そう信じていました。
しかし、保護者として、教職員に我が子を委ねた責任を感じています。なぜ、学校に行かせてしまったのだろう。どうして、教職員を信じてしまったのだろう。辰乃輔を守るにはどうすればよかったのだろう。自問自答する毎日です>