「ヒガシでは無理だというのが世間にも伝わったでしょう。会社からは長年特別扱いをされてきたけれど、下からの信頼がない男なんですよ。そのぶん井ノ原が誠実に見えたでしょうが、記者会見を振り返れば脇の甘い発言もありました」(大手芸能事務所関係者)
4時間以上に及ぶ会見で、露呈したのは新社長の人望のなさとサイドを固める役の脇の甘さだった。
経営陣が顔を出したのは初めて
9月7日午後、都内ホテルに設けた会見場に登壇したのは計4名。藤島ジュリー景子・前社長と東山紀之新社長、ジャニーズアイランド社長であり「V6」元メンバーの井ノ原快彦、そして長年顧問を務めてきたのとは異なる法律事務所の弁護士(木目田裕氏)だった。
8月29日に公表された再発防止特別チームの調査結果及び提言を受けて開かれた会見だが、ジャニーズ事務所の長い歴史のなかで、経営陣が顔を出したのは初めてであった。
冒頭で藤島ジュリー氏より、ジャニー喜多川氏による性加害があったことを認めたうえでの謝罪、社長の引責辞任を発表。そして被害者への補償・救済と心のケアには今後も関わっていくとの説明があった。そして東山新社長からも同じように謝罪、「今後の人生をかけ、命をかけ、この問題に取り組んでいく」ために年内で芸能活動を引退するとの発言があった。
ジャニー喜多川氏が「ぼくの最高傑作」と語った少年隊
新社長となった東山は、まもなく57歳。小学6年生のとき、渋谷の交差点で偶然通りかかったジャニー喜多川氏に直接スカウトされ1985年12月に3人組の「少年隊」として「仮面舞踏会」でデビュー。当時ジャニー氏自ら少年隊を「ぼくの最高傑作」だと語ったように、歌・ダンス・ルックスどれをとっても輝き秀でていた大人気のグループだった。
少年隊3人での活動は2008年の舞台「PLAYZONE」が最後となっており、2020年いっぱいで錦織一清と植草克秀がジャニーズを退所したことで事実上の“解散”となった。
「東山本人は『必殺仕事人』シリーズをはじめとした多くの時代劇ドラマや舞台で活躍を続け、6年前からは週末の『サンデーLIVE!!』(テレビ朝日系)で報道MCも務めていました。若い頃から少年隊の他のふたりの給与の何倍ももらっていた、ジャニー氏のお気に入り。目をかけられて育った存在です。2021年の春、唯一の先輩だった近藤真彦のジャニーズ退所にともない、年齢・ポジションともにナンバーワンの存在となっていました」(芸能記者)