専用ビキニはオーダーメイドで7万円
ーー大会はビキニ着用ですが、専用のものになるんですよね。
山下 普通の水泳用のものとは違います。まず、生地自体が全然違いますし、ストーンもひとつひとつ接着剤で丁寧に付けてもらっていて、雑に扱えるようなものじゃなくて。
ーー簡単に買えるものではなさそうですね。
山下 私は全部オーダーメイドで作っていただいて。今年作ってもらった新しいビキニは、7万円ぐらいしましたね。ウエストジャパンとオリンピアアマチュアで着たビキニは、6万数千円しました。
ビキニも山田選手から国内で作っている方を紹介してもらって。7万円って聞くと高いと思われるかもしれないですけど、それでも相場と比べたら安いぐらいのお値段で作っていただけて。
ーー高校生だと、厳しい価格帯ですよね。日サロや化粧品でも、お金が掛かりますし。
山下 なので、コンビニの店員とかスーパーの品出しのバイトでお金を工面してました。
ーー大会でのポージングで「ここを際立たせたい」といった部位はありますか。
山下 「ここ」っていうよりも、できるだけ筋肉を大きく見せたいんですよね。ポージングも減量をしないと、綺麗なポージングをしても映えないんですよ。やっぱり、脂肪を落とさないと筋肉も出てこない。
気をつけてることに関して言うと、ほかのポージングに移るとき、ぎこちなく見えないようにはしてますね。家のお風呂場の鏡でポージングの練習をして、それをスマホで撮って確認して。
いまは家族になにも言われないですけど、家族は邪魔をしちゃいけないと思ったみたいで洗面台を使ったりするたびに「もう終わった?」とか聞かれたりして。いまは当たり前になっちゃったんで、なにも聞かれなくなりましたけど。
ーー競技以外で、筋肉がついて良かったと思える場面って。
山下 スーパーの品出しのバイトでは、役に立ってましたね。重たいものを持つので力が必要になる仕事だけど、それがまったく苦じゃない。「あー、しんどー」ってならないので、そこは筋トレしてよかったなって。
ジュースとか飲み物系は重いんだけど、「いつも持ってるものの方が重いし」って(笑)。店の人とか「大丈夫?」って聞いてくるけど、ヒョイって持ち上げるんで「え?」みたいな。
ーー筋肉が付いたことで、プライベートで着る洋服のテイストが変わったりは。
山下 やっぱり、かわいらしいワンピースとかは似合わなくなりました。「着たい」って気持ちはあるので着るんですけど、肩幅が出てしまったので「気持ち悪い」って言ったらアレですけど、変な感じになっちゃって。
でも「ま、いいか」って。だから、私服はまったく変わってなくて、ワンピースとかも全然着ますし、着たい服を着てます。
逆に体が変わったことで、いろんな服を着られるようになったんですよ。なので、いままで着たことのない服も着られるようになって、服選びがすごく楽しくなりました。