ーーメイクを教えてくれた先輩というのは?
山下 私が競技を始めるにあたって、「この人みたいな体になりたいな」って選手がおって。山田朝美さんという方なんですけど、誰かに教えてもらえるなら山田さんにお願いしたいなって。
ただ、山田さんは静岡にお住まいなので、直接となるとちょっと難しいかなと思ってたんですけど、「オンラインだったら全然いいですよ」と言ってくださったんです。で、LINEでやりとりしながら、メイクを教えてもらいました。
ーー山田朝美選手のどこに惹かれたのでしょう。
山下 まず、「すごく綺麗だな」って。筋肉も隆々としているんですけど、メリハリがあって素敵なんですよ。自分が競技をやってみようと考えたとき、「誰か目標にできる選手おらんかな」って探していたら、バッと目に飛び込んできたのが山田選手で。見た瞬間に「こうなりたい」って思いましたね。
大会史上最年少で成績は2位
ーー「2021ウエストジャパンチャンピオンシップス」の成績は。
山下 私が出たのはフィギュアといって、女性の競技種目としては筋肉量の多いカテゴリーになります。腹筋がきれいに割れてるかとか、脚の筋肉がきれいに隆起してるかとか、そういうことも重要で、筋肉が付いた体のフォルムを見る感じですね。
そのフィギュアで2位になりましたけど、出たのは私を含め2人だけだったので2位になれたんです。ただ、1位になられた選手がエミリー・バージェスさんという、すごい大きな大会でアマチュアからプロになった方で。そういう選手と一緒のステージに立てたっていうのが、すごくいい経験になったのかなって。
大会に出たことが、自分のなかでモチベーションにもなって。エミリーさんも優しくしてくださったし、ほかの選手の方々もいろいろとお話してくださって「いい世界やなぁ」って。競技することでこんなふうにいろんな人と知り合えるなら、それもまた楽しいなと思って、トレーニングを続けていこうって気になりましたね。
ーーその次に出た大会はなんでしょうか。
山下 2022年9月に行われた「2022ウエストジャパンチャンピオンシップス」ですね。そしてその次が、去年の11月の「オリンピアアマチュアジャパン2022」です。
ウエストジャパンが終わった瞬間に「オリンピアアマチュアに出よう」って決めて。エミリーさんがプロに進むきっかけになった大会でもあるので、私も同じように出てみようって。
ーーオリンピアアマチュアでの成績によって、プロ転向への道が開かれるんですね。
山下 その年に地方の大会に1回出れば、オリンピアアマチュアに出場できるんですけど、各カテゴリーが身長でクラス分けされてて。クラスで争い、クラス優勝をした人たちで再度審査をしてもらい、その中の1〜3人がプロになれる形です。
たとえば、クラスCに4人出場したら、その4人で競い合って、勝った人がプロになれるっていう。で、私の場合は、ウエストジャパンが地方の大会になって、オリンピアアマチュアの出場権が得られたんです。