「羽振りいい感じでした」「『月80万円とか90万円稼いでるんや』って」
「熊川は一緒に逮捕された、指示役の重永って男とよくつるんでいた。2人は3年くらい前に、高速道路のコンクリートの基礎をつくる型枠大工の仕事現場で知り合ったそうです。
重永は大阪・ミナミに拠点がある半グレグループの立ち上げ当初からのメンバーで、副リーダー的な立場で活動していたようです。指や身体のあちこちにタトゥーを入れてて、よく携帯に電話がかかってきてた。『お前どこおんねん』とかなんか偉そうにしゃべってたな。熊川も重永と同じ半グレグループのメンバーだったはずです。
俺が熊川と最後に会ったのは今年の5月。羽振りいい感じでしたよ。『高級な焼肉行こうや』って向こうから言い出してきた。『解体業でもうすぐ起業するんや』とも言ってたな。実際に起業したかは知らんけど」
別の知人Bさんもこう証言する。
「7月のタワマン強盗事件が起きるちょっと前に、熊川は周りに‟羽振りがいい”自慢をしていました。『月80万円とか90万円稼いでるんや』って。でもあいつは、解体の仕事も転々としていたし、奥さんが働いていたキャバクラのボーイの仕事も数カ月で辞めちゃったりしてたから、そんな稼げるはずがないとみんな思って。『なんでそんな稼げるん』って聞いたら、熊川は『それは言われへんわ』と笑ってました」
#1で紹介したが、熊川容疑者が大阪府羽曳野市の賃貸住宅を契約する際に提出した給与明細によれば、熊川容疑者の1カ月の給与は額面で月25万円ほど。わずかな期間でその3倍以上のお金を稼ぐようになったと話していたのだという。
「熊川と奥さんの間には2歳近くになる娘さんがいますが、今年7月に第2子の妊娠が判明したんです。奥さんは妊娠したのを機に、『お酒もタバコもできんから』と勤めていたキャバクラを辞めたそうです。今後は『ネイルサロンをやりたい』とも言ってました。出産と育児で入り用になるし、熊川が稼いでくんやろなと思ってました」（同前）
複数の知人の証言からわかるのは、今年の春ごろから、熊川容疑者の「金回り」が急によくなったことだ。しかし、熊川容疑者は今年8月、突如住み慣れた大阪を離れる決断をする。
