ともあれ、大谷の復活への道筋が明確になり、今後はいよいよ大谷が来季プレーするチームや契約内容に関心事が移ることになる。しかし前出の大手マネジメント会社代理人は「オオタニについては毎度のことですが、今回も予想は難しいですね」と語る。
本命はやはり現所属のエンゼルスだろう。そもそもワールドシリーズが終わるまではエンゼルス1球団しか交渉ができず、今回の手術の費用もエンゼルスが払っている。つまり怪我の状態や回復までの見通しなどの詳細をどこよりも把握している。
大谷にとってもメジャーでの6年間を過ごした球団で、少なからず愛着はあり、アドバンテージがあることは確かだ。
「あれほど優勝したがっているオオタニが…」
一方でエンゼルスは、大谷が渇望する「ワールドシリーズで勝てる球団」ではないという明確な弱点もある。今夏のトレード期間ではプレーオフ進出を目指してトレードなどで選手の獲得に奔走したが、結果は失速。
大谷の故障が発覚したことで、チームの管理能力にも疑問符が付いた。
「来季以降もチーム成績に明るい展望は見えない。特に主砲のマイク・トラウトは故障がちで、32歳にしてすでにピークを過ぎた感がある。本当なら守備の負担を軽くしてDH(指名打者)での出場を挟みたいところだが、DHにはオオタニがいる。本人もこの6年でトラウトとの共存が難しいことはわかっているはず。ただトラウトが去ればエンゼルスの戦力はさらに落ちる。となれば、あれほど優勝したがっているオオタニがエンゼルスに残る可能性は下がるだろう」(前出・代理人)
移籍する場合の最有力候補と目されているのが、エンゼルスと同じロサンゼルスを拠点とするドジャースだ。
「ドジャースならば、オオタニは自宅や怪我の治療環境などを変えなくていいという大きなメリットがある。来年は投手のリハビリと並行しての出場となるので、定期的に執刀医(エラトロッシュ氏)の診断を受ける必要もある。だとすればロサンゼルスに拠点を置いたままの方がストレスはないだろう。気候的にも、ロサンゼルスがある西海岸は温暖で、過酷な二刀流を続けるには最適だしね」(同前)