日本に来たのも、もちろん初めてである。今回横須賀に入港したのはこの「レンジャー」と「マリナー」の2隻、この2隻を加えた6隻のUSVで第1無人水上艦隊を構成し母港はカリフォルニア州ポート・ヒューニーメ、指揮官は先述のジュレマイア・デイリー中佐である。中佐が乗艦した「レンジャー」と「マリナー」の2隻はこの18日ここ横須賀の米海軍基地に入港した後、そのうちの「レンジャー」が21日報道公開された。
こんな見てくれにもかかわらず(くどい!)米軍がこの船の重要性やポテンシャル(潜在能力)にいかに期待し認識しているかは横須賀への入港も入港後に公表、今回の取材も直前に案内が来るほどその動きの秘匿性は徹底されたぐらいである。
入港直前までまとわりついていた“数隻の不審船”
とはいえ、さすがの無人艦もマニアや横須賀ウオッチャーの目からまでは隠しきれなかった。そんなマニアの目撃情報で恐縮であるが、今回このUSV2隻「レンジャー」と「マリナー」の横須賀入港直前までその周囲に正体不明の釣り船なのかプレジャーボートなんかが数隻まとわりついていたという。当然、中国と見るべきやろ。台湾侵攻を目前に控え、このUSVは中国人民解放軍にとって大きな脅威となると踏んでのスパイ船を仕立てての事であろう。なんせ日本には世界の独立国のほとんどすべての国家にある「スパイ防止法」すらないのである。さらに今も沖縄県尖閣諸島周辺の我が国領海やEEZ(排他的経済水域)には中国の公船と称する軍艦が跳梁跋扈し、沖縄の海はもはや中国の海と化して久しいのである。
にもかかわらず、自衛隊最高指揮官、我らの岸田首相は「イカンである」か「断じて容認できない」としか言わんのである。そりゃあ海保の巡視船はなめられるわ。けど、自他ともに認める世界最強の米軍相手には中国もそうはいかん。
なんとか米軍のマネしてパクリ空母から国産空母やウルッサイ原潜配備しても、そんな装備では米軍の足元にも及ばんのである。
この画期的なUSVの情報もなんとしても知りたい、マネしたい、パクりたいところであろう。
未だ続くロシア軍によるウクライナ侵攻でも、いまやドローンが戦場を支配するようになっとる。
もはやドローンの性能がパイロットの技量より戦況を左右するようになっとるのである。それは海の上でも同じである。事実ロシア軍の黒海艦隊はウクライナ軍の水上ドローンによる攻撃で損害出てるのである。ロシアが一方的に併合したクリミア半島の命綱、クリミア大橋も水上ドローンで破壊されたのである。
米軍が今から予想する“未来の海戦”
しかし、このUSVは水上ドローンのような自爆型でなく、デイリー中佐によると、あくまで警戒監視、偵察などが主任務。将来の完全無人化に向けての情報収集中のいまだプロトタイプ(試験艦)だという。第一、無人化のメリットは自爆できるだけではない。まずは省力化である。これは14億もの人口があり、いざとなったらなんぼでも徴兵できる中国と違い、慢性的に定員割れして、船はあっても乗員不足の我ら海上自衛隊にとっても注目すべきであろう。