BTSをはじめとしたK-POPが世界を席巻し、ポン・ジュノ監督の映画『パラサイト 半地下の家族』がカンヌ映画祭や、米アカデミー賞でいくつもの賞を受賞。韓国ドラマの世界でも『イカゲーム』が全世界でヒットしたのは記憶に新しい。
その韓国では、犯罪事件や社会的な問題をフィクションにしたノワールが、ひとつのジャンルを築き上げた。韓国ノワールの代表作と言えるのが、2013年に公開されたイ・ジョンジェ、ファン・ジョンミンが主演の『新しき世界』だ(日本公開は2014年)。その後も財閥などの権力の暴走を描いた『ベテラン』や、1990年代の実際の朝鮮半島の緊張感を元に描いた『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』、俳優マ・ドンソクがプロデュースし、シリーズ3作が3000万人(累計)の観客動員の記録を樹立した『犯罪都市』、『新しき世界』のイ・ジョンジェが監督、脚本、主演に挑んだ『ハント』など、さまざまなノワール作品が作られてきた。
Disney+で新たな韓国ノワールドラマ『最悪の悪』が完成
この潮流は、コロナ禍以降ドラマの世界にも影響力を与えた。動画配信サービスのDisney+(ディズニープラス)は、先述の大ヒット映画『犯罪都市』のカン・ユンソンを監督に迎え、『新しき世界』のチェ・ミンシク、『犯罪都市 THE ROUNDUP』で見事なヴィランを演じきったソン・ソックを主要キャストに、『カジノ』『カジノ2』というノワールドラマを制作。
そのDisney+が、映画『傷だらけのふたり』のハン・ドンウクを監督に迎え、チ・チャンウク、ウィ・ハジュン、イム・セミという若い俳優を中心にみせる、まったく新たな韓国ノワールドラマ『最悪の悪』を完成させた。
本作で地方都市の刑事のパク・ジュンモを演じるのは、『ヒーラー~最高の恋人~』や『あやしいパートナー~Destiny Lovers~』のチ・チャンウク。その妻で、エリートコースを歩む麻薬保安官のユ・ウィジョンに『女神降臨』のイム・セミ。