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イーロン・マスクがツイッターで閃いた“リストラの極意”とは 社員に送った「長時間、集中して働かなければならない」メールの真意

公式伝記『イーロン・マスク』特集 #11

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 すなわちオプトアウトではなく、オプトインという訳だ。そしてマスクは11月16日の水曜日の明け方、社員全員にメールを発信した。

©時事通信社

From:イーロン・マスク
Subj:分岐点
Date:2022年11月16日

 今後、ブレークスルーでツイッター2.0を作り、競争が激化していく世界で成功するため、我々は超本気にならなければならない。つまり、長時間、集中して働かなければならない。(中略)
 この新生ツイッターに加わろうと思う諸君は、下記リンクの「イエス」をクリックしてくれ。明日(木曜日)の東部標準時間午後5時までにクリックしなかった者には給与3カ月分の退職金を支給する。

「約3600人の社員うち、何人がイエスと答えるのか」

 腹心の部下ふたりは結果が心配で、水曜日の夜、ずっと起きて経過を見ていた。

©時事通信社

 約3600人の社員うち、何人がイエスと答えるのか。

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 ふたりは賭けをした。それぞれ2000人、2150人だった。マスクも賭けに乗ってきたが、1800人と少ない。

 ——果たして結果は2492人だった。じつに69パーセントがイエスと答えたのだ。

 マスクたちは、ウオッカ入りのレッドブルで乾杯した。

イーロン・マスク 上

イーロン・マスク 上

ウォルター・アイザックソン ,井口 耕二

文藝春秋

2023年9月13日 発売

イーロン・マスクがツイッターで閃いた“リストラの極意”とは 社員に送った「長時間、集中して働かなければならない」メールの真意

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