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「“売れてるからもしかして”とからかってくる人も」

 Aさんは、「さすがに現状は辛すぎて、今はジャニーズから離れている」と言います。

「ファンを降りたわけではありませんが、好奇の目にさらされる推しを見るのが苦しくて、少し距離を置いています。関係ない人までジャニーズについてああだこうだ言い出すし、私がファンだと知っていて“その子も売れてるからもしかして”とからかってくる人もいます。『応援する私も悪いの?』と思ったり、もう何がなんだかわからなくなりました。このままでは心が壊れてしまうので、落ち着くまでは離れているつもりです」(Aさん)

記者会見する東山紀之氏と井ノ原快彦氏 ©時事通信社

  私たちは今、出口のないメビウスの輪の上を走っています。

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  故ジャニー喜多川氏が悪い、事務所が悪い、メディアが悪い、彼らに関わった企業が悪い、そもそもそんな事務所に子を入れた親が悪い、そういう子を観て喜んできたファンが悪い、いや噂を知っていた人はみんな悪い……と、“悪者”を糾弾していたはずが、いつの間にか誰かが誰かを指差していて、堂々巡りの迷い道を抜けられずにいるのです。

「ジャニーズの起用をやめるのは仕方ない。でも…」

  Bさんは、これまで散々ジャニーズファンの購買力に頼っておきながら、いやらしい対応をした企業が許せないと言います。

松島聡さんが登場した「サンデー毎日」10月8日号の表紙には「ジャニーズ問題と日本社会の民度」の文字が

「松島聡さん(Sexy Zone)が表紙の『サンデー毎日』(2023年10月8日号)を見て、血の気が引きました。彼の写真の真下に『ジャニーズ問題と日本社会の民度』という文字がおどっていたんです。ジャニーズのことを取り上げないと責められる、でもジャニーズの持っている数字は欲しい……というスケベ心がこんな不気味な表紙となって表れたのでしょうが、メディアの民度こそ問いたいです。

  彼は突発性パニック障害を乗り越えて活動を再開し、同じ悩みを抱える私の大きな希望となってくれました。初の個展もスタートし、新たな一歩を踏み出したタイミングでこの仕打ちは許せません」(Bさん)

  Bさんは「各企業がそれぞれの判断でジャニーズの起用を取りやめることは、やむをえないと思っている」と言います。しかし、どっちつかずの未練がましい関わり方では誰も幸せにならないように感じます。