「爺」「婆」「皿婆」などと
〈X(旧Twitter)では、上皇・上皇后へのさらに根拠のない批判や誹謗中傷があふれている。しかも彼ら彼女らを「爺」や「婆」と呼び、高齢であること自体をバカにするなど、人として礼儀を欠くような表現が見受けられる。(中略)
なかには、上皇后を「皿婆」なる隠語で呼んでいるケースもある。彼女が外出するときにかぶる帽子が、小皿のように見えると揶揄する言葉だが、そこには「衣装代に多額の税金をつぎ込んでいる」という印象付けをしようとする意図も感じられる〉
こうした誹謗中傷は、退位前後から始まっていた。また小室眞子さんの結婚、そして小室圭さんの母親の金銭問題の浮上で、税金と皇室がいっそう強く結びつけられてしまったことがその背景にあるという。
なぜこうした現象が起きているのか、河西氏はその要因を分析。第一に、人々が公的な問題に対して眼を厳しくしたこと、第二に「私」より「公」を重視するイメージを広げて支持を集めてきた“象徴天皇制のあゆみ”をあげる。
秋篠宮家に「裏切られた」
〈(上皇・上皇后両陛下の被災地などでの活動により平成の皇室は)「私」よりも「公」を重視するイメージが広がっていくことになった。そして、そうしたイメージが、空前とも言えるほどの象徴天皇制・皇室像への支持を生み出していく。だからこそ、(小室圭さんと眞子さんの結婚、金銭問題の浮上などの騒動などの)秋篠宮家の動きは「裏切られた」と見られたのだろう〉
〈「私」を重視する秋篠宮家、そしてそれを認めてきた「爺」と「婆」。彼らを批判しなければならない。そうした思考がネット上のコメントから見えてくる〉
こうした根拠のない批判や誹謗中傷が、「最終的には象徴天皇制・皇室全体を傷つけることにも繋がる」と河西氏は強く主張した。
河西氏による10ページにわたる論考「美智子さまが狙われている」は、10月10日(火)発売の「文藝春秋」11月号、および「文藝春秋 電子版」(10月9日公開)に掲載される。
美智子さまが狙われている