「文藝春秋」特別取材班による「秋篠宮家 佳子さまからの警告 なぜ独り暮らしを決意されたのか」を一部転載します(文藝春秋2023年9月号より)。

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 今から2年前の11月14日、太平洋上空の高度1万メートルを、全日空(ANA)110便がニューヨークに向って飛んでいた。機内ではビジネスクラスの最後尾の座席に、1組の男女が目立たぬよう身を寄せ合って座っている。小室圭さんと眞子さんだ。

眞子さん ©文藝春秋

 その2週間ほど前の10月26日に、念願の結婚を果たした2人は、生活の拠点をアメリカ・ニューヨークに移すため、この日の午前10時20分、羽田空港を飛び発ち、ジョン・F・ケネディ空港に向けて、12時間半におよぶ長旅の途上にあった。

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 大勢の人だかりができた羽田空港国際便の搭乗ゲートを、マスク姿の小室さんと眞子さんが、SPに囲まれながら歩いていく場面は、マスコミ各社が報じていた。小室さんはノルディック調のカーディガンを身に纏い、眞子さんは、濃紺のトップスに黒のワイドパンツという暗い色遣いの服装。2人に笑顔はなく伏し目がちで、どこか悲愴な雰囲気すら漂っていたのが印象的だった。

「初めて祝ってもらいました」

 ANA関係者が語る。

「飛行機のチケットは、宮内庁が用意したものではなく、小室さん自らネットで予約して購入しました。小室さんは、最初はエコノミークラスを予約していましたが、大勢の記者やカメラマンが、2人を追って乗り込んで来ることが予想された。混乱を避けるために、ANA側が直前にビジネスクラスへとアップグレードしたのです」

 実際に機内には80人ほどの搭乗者がいたが、そのうち60人近くがマスコミ関係者だった。ファーストクラスとの仕切りのカーテンの前には、屈強な体格のセキュリティー担当者が仁王立ちになって警戒。だが、これも小室さんと眞子さんから記者たちの目を逸らし、さも2人が背後のファーストクラスにいるかのように見せるためのカムフラージュだったという。

 2人は声を潜め、終始、緊張感が漂う中でのフライトを余儀なくされた。ただ、担当の女性チーフパーサーは、2人の状況に同情を禁じえなかった。そして、ささやかなお祝いのケーキを2人のために用意したという。

「ご結婚、おめでとうございます!」

 頃合いを見て、チーフパーサーは、小室さんと眞子さんの前にケーキを差し出した。意外な計らいに2人は驚き、ケーキに目を向けると、そこには「Happy Wedding」という文字が書かれていたという。

 その瞬間、眞子さんは感情を抑えることができず、目からはポロポロと涙がこぼれ落ちた。

「初めて祝ってもらいました……。親にも祝ってもらえてないんです」

 眞子さんはそう呟いたという。2人の結婚は、およそ慶事には似つかわしくない物々しい状況下で行われた。小室さんの母親が抱えた金銭トラブルは解決したものの、納采の儀など結婚に伴う儀式は行わず、元皇族として支給されるはずの1億円以上の一時金も辞退して、眞子さんは皇籍離脱している。

 秋篠宮と紀子さまも、儀式を執り行うことを最後まで許すことはなかった。結婚に寄せたコメントでも、「ご迷惑をおかけした方々に誠に申し訳ない気持ち」「皇室としては類例を見ない結婚」と複雑な心境を覗かせている。

 結婚延期の発表から3年以上の歳月を経て、眞子さんは小室さんと念願の結婚を果たした。だが、家族や国民から祝われることなく、なかば日本を脱出するような形でアメリカへと渡った。幸せを掴んだはずの眞子さんは、飛行機の中で悔しさと孤独感に苛まれ、涙を流したのかもしれない――。