6月29日、秋篠宮ご夫妻は結婚33周年を迎えられた。ジャーナリストの江森敬治氏による『秋篠宮』(小学館)から、秋篠宮家の長女・小室眞子さんの結婚について、一部を抜粋して紹介する。(全2回の2回目/#1から続く)
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旅立ち
2021年10月26日、婚姻届を提出した小室眞子と圭は、東京都千代田区のホテルで記者たちを前に文章を読み上げた。
「多くの人が納得し、喜んでくれる状況」からは程遠かったことは説明するまでもない。一般の結納にあたる納采の儀や結婚式は行わず、女性皇族が皇室を離れる際に支給される一時金も、眞子が辞退した。秋篠宮夫妻も、「皇室としては類例を見ない結婚」と評した。
ミントグリーンを基調としたワンピース姿の小室眞子は終始、硬い表情だった。
「私のことを思い静かに心配してくださった方々や事実に基づかない情報に惑わされず、私と圭さんを変わらずに応援してくださった方々に、感謝しております。私にとって圭さんはかけがえのない存在です。そして、私たちにとって結婚は、自分たちの心を大切に守りながら生きていくための必要な選択でした」
二人の発言は9分あまり。その後、宮内記者会などが事前に提出していた質問への回答が文書で配布された。
このうち日本雑誌協会の質問に対し眞子は、「誤った情報が事実であるかのような印象を与えかねない質問であると思います」などと表明し、回答を拒否した。
彼女は医師から「複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)」と診断されている。
21年11月、小室側から小室の母の元婚約者に対して、解決金約400万円が支払われたと報じられた。これで金銭トラブルは解決したようだ。
病を抱えながら海を渡った小室眞子のアメリカでの生活については気がかりな点も多い。だが、幼い頃からの成長を知る身として、何があっても温かく見守り続けたいと思う。
21年11月初め、二人の結婚後初めて、東京・元赤坂の御仮寓所を訪れた。
巽門に着くと門は厳重に閉ざされていた。私は門越しに皇宮護衛官に自分の名前を告げた。静かに開門され、私は御仮寓所に向かって歩き出した。