6月29日、秋篠宮ご夫妻は結婚33周年を迎えられた。ジャーナリストの江森敬治氏による『秋篠宮』(小学館)から、秋篠宮家の長女・小室眞子さんの結婚について、一部を抜粋して紹介する。(全2回の1回目/#2に続く)
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父親としての正解とは
2021年4月、小室圭はA4判で、本文24ページと概要4ページの計28ページもの膨大な文書を公表した。
〈私や母と元婚約者の方との間にこれまであったやり取り等について実際の経緯をある程度明らかにすることを通じて、これまで世の中に出回ってきた金銭トラブルと言われている事柄に関する誤った情報をできる範囲で訂正する〉とその目的を説明した。
しかし、〈「認識の食い違いの整理」段階で話し合いが頓挫している〉ことを認め、むしろ金銭トラブルが未だ解決できていないことが明らかになった。
ところで私が、なぜこの問題に強い関心を持っているかといえば、二つの理由がある。
まずは親なら誰しもが悩む子女の結婚問題について、ともすれば「特別な立場」と見られがちな秋篠宮であっても、例外ではなく苦悩するということを伝えたかった。
秋篠宮が、娘の結婚問題に際してうまく立ち回れたとは思えない。父親の責任を問う声も世間からは上がった。だが、娘の結婚に際しての父親の態度や取り組みに、正解があるはずがない。
皇族という特別な立場にありながら、彼も、私たち国民と地続きの葛藤を抱えている。このことを知ってもらうことで、皇室をより身近に考えてもらいたかった。彼もまた一人の悩める父親にすぎない。一方で、長女を取り巻く環境は、国民のそれとは大きく違う。
私は問題が混迷を深めた背景の一つは、眞子内親王の恋愛の自由が制限されているという事情に根差していると考えている。これが、私がこの問題に強く執着する二つ目の理由である。外出すれば、彼女の動静はマスコミなどの注目を集める。どこに行くにも警備担当者が付く。彼女の恋愛は、一般女性と比べ、かなり制約されたものだ。普通の女性のような恋愛の自由を味わうことは難しい。