今年は3年ぶりに皇居で新年一般参賀が行われ、天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(21)が初めて出席されたことが話題を呼んだが、現在は学業を優先しながら過ごされている。

 一方の秋篠宮家では、秋篠宮ご夫妻と、長女・小室眞子さんからの公務も受け継いだ次女・佳子さま(28)が精力的に公務に臨まれている。

 結婚も進学も、プライベートでありながら国民的な関心を呼び、オフィシャルな側面を持つ。こうした秋篠宮家の「公私」を巡る問題について、天皇陛下や皇族方のご活動と宮内庁組織の関係をひも解きながら、名古屋大学大学院人文学研究科准教授の河西秀哉氏が考察する。

ADVERTISEMENT

1月25日、日本テニス協会の創立100周年記念式典であいさつされる佳子さま ©時事通信社

◆ ◆ ◆

小室眞子さんの結婚をめぐる報道

 最近、宮内庁が新年度から広報室を新設し、SNSなどの新しい広報戦略を採るのではないかという話題がメディアで取りあげられている。

 たしかに、宮内庁の広報のあり方には大きな問題があるように思われる。それが特に近年になって顕在化したのは、小室眞子さんの結婚をめぐる週刊誌やネット記事であろう。

婚約内定記者会見での眞子さま(当時)と小室圭さん ©JMPA

 それに関して秋篠宮は2021年の誕生日の記者会見で、複雑性PTSDと診断された小室眞子さんの体調に影響を与えられたと考えられる週刊誌報道やインターネット上の書き込みについて問われ、週刊誌については「創作というか作り話が掲載されていることもあります。一方で、非常に傾聴すべき意見も載っています」、ネットについては「中には確かに相当ひどいことを書いているのもあるわけです」「ネットによる誹謗中傷で深く傷ついている人もいますし」と述べ、「誹謗中傷、つまり深く人を傷つけるような言葉というのは、これは雑誌であれネットであれ私としてはそういう言葉は許容できるものではありません」と答えた。

雑誌やネット記事を読むと告白

 皇嗣である秋篠宮が、自らや家族について書かれた雑誌やネット記事を読んでいると告白したこと自体興味深い。それだけ、皇室も自分たちがメディアのなかでどう書かれているのかを気にしているのだろう。秋篠宮は同じ記者会見のなかで、そうした記事に対する反論などに関する基準作りの問題にも言及していた。

2023年、新年一般参賀での秋篠宮ご夫妻と佳子さま ©JMPA

 そして翌2022年の記者会見では、実際に自身について書かれた記事を分析した結果、「かなりの労力を費やさないといけないことがよく分かりました。そのようなことから、基準を作って何かそれに対して意見を言うということはですね、なかなか難しいなと思っておりますし、これは引き続き検討していく課題なのかなと思って」いると述べた。また、自らはSNSはやらないとしつつも、「皇室の情報発信というものも、正確な情報を何て言いましょうかね、タイムリーに出していくということが必要であるとともに、どこにそういう、その最もきちんとしたと言うか、正確な情報がどこにあるのかということが分かることも大事なこと」と言及した。