大夫が異例のペーパー配布
一部では巨額の建設費用に批判の声も上がっていた。だが、今年1月に「女性セブン」(2月2日号)が「佳子さま ひとり暮らしは10億円豪邸!」の記事で、佳子さまだけが引っ越さず、御仮寓所に住み続ける事実を報じると、さらに波紋は大きく広がった。ご一家で移り住むという当初の説明との食い違いに、宮内庁には抗議が殺到したという。
以来、マスコミ各社はこの別居騒動に沸き立ち、「佳子さまと両親が深刻な不仲にある」「工事に欠陥があり、部屋が狭かった」といったように原因を追究していた。
宮内庁側は沈黙を貫いていたが、約5カ月が経った6月30日に、事態が急転する。
「みなさんに配布した文書は、本日、宮内庁のホームページに掲載する予定です」
そう言って、秋篠宮家に仕える皇嗣職のトップである加地隆治皇嗣職大夫が突然、定例会見の場で宮内記者たちにA4判の資料を配り始めた。大夫会見でペーパーが用意されるのは、異例のこと。記者たちはにわかに色めき立った。
そのペーパーには「秋篠宮邸改修について」とあり、〈両殿下、眞子内親王殿下(当時)、佳子内親王殿下で相談された結果、この経費を削減する目的で、眞子内親王殿下ならびに佳子内親王殿下が、分室(旧御仮寓所)に引き続きお住まいになるよう計画を変更することとなりました〉と書かれていた。
文書を読んだ記者からは「具体的にいつ計画が変更になったのか?」「なぜ発表が遅れたのか?」と矢継ぎ早に質問が飛んだ。だが、加地氏は「変更の理解を得るために文書で説明したまで」と明言を避け、口ごもるばかりだったという。
これで記者たちが納得するはずもない。「それならば、宮邸に眞子さんと佳子さまの部屋を作らないことで、幾らの経費削減になったのか?」と食い下がった。この質問にも加地氏は「具体的に幾らかは資料を持っていない」「数字を発表するつもりはない」と苦しい回答を続けた。
「あの説明文書には、秋篠宮ご夫妻の意向が大きく反映されていたようです。経費削減という理由を拵えるために両殿下と皇嗣職、そして管理部工務課との間で、何度もやり取りをしていた。ただ、あれではかえって自分たちで火種を撒いているようなもの。文書の内容も疑わしい点が多く、宮内庁の対応はあまりに杜撰だったと言わざるを得ません」(前出・宮内庁担当記者)
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「秋篠宮家 佳子さまからの警告 なぜ独り暮らしを決意されたのか」全文は、月刊「文藝春秋」2023年9月号と、「文藝春秋 電子版」に掲載されています。