そのへんに生えている草花を食べて飢えを凌ぐ
――当時、ご自身の家が困窮していることは理解していたのでしょうか。
風間 小学校に行くようになってからですかね、自分で「うちは他の家とちょっと違うぞ」と気が付いたのは。みんなの家にはある電化製品がうちにはなかったり、友達の家に行って「こんな美味しい食べ物があるんだ」と知った時に「あ、うちはお金のない家なんだな」と。
――貧困であることを知った時、どのような気持ちでしたか。
風間 「そういう家なんだな」という感じでしたね。絶望してもしょうがないし、何か欲しいと思っても買える家じゃないことがわかっていたから「無理なものは無理」と考えていました。だから、早く大人になって自分で稼いだお金で好きなものを買いたいな、というのが心の支えでしたね。
――食事は十分に摂れていましたか。
風間 うーん、あまり量は食べられなかったかな。おじいさんおばあさんの家なので白いご飯とお味噌汁とお新香くらいで、当時の自分にとってはあまり食べた気がしないというか。
だから飢えを凌ぐために、そのへんに生えている草花なんかを「これは食べられるかな」と思って食べたりしていましたね。中でも紫のアサガオなんかはほんのり甘くて、素揚げにしたら美味しいんじゃないかと思って試してみたら本当に美味しかったんですよ。
あとは、家の中にいたカマキリを食べてみたこともあります。
怪我をしたら唾を付けて自然治癒
――どうしてカマキリを?
風間 なんでですかね、お腹が空いていたんでしょうね。緑色でサラダ系の味がすると思ったのかもしれません。イナゴの佃煮をよく食べていたのでカマキリもいけるんじゃないか、くらいの感覚で(笑)。「ああ、美味しそうだな」と思って足をちょっとかじってみたんです……。
――どんな味でしたか。
風間 苦かったです、やっぱりダメでした(笑)。
――お腹を壊したりしませんでしたか。