風間 全然。子どもの時からお腹を壊すことはあんまりなくて。もしかしたら免疫があるのかもしれません。自然治癒力も高いと思うんですよ、怪我をしても唾を付けていたらすぐに治っていました(笑)。
毎日お風呂に入りたいから、服を着たまま洗濯機へ入り…
――すごいですね。ちなみに、お風呂は毎日入れていましたか。
風間 3日に1回くらい、おじいちゃんとおばあちゃんは銭湯に行くんですけど、僕は子どもだったから汗をたくさんかくし、毎日お風呂に入りたいと思っていて。そこで考えたのが、家の外にある洗濯機で体を洗うことでした。
外から帰ったら服を着たまま、固形石鹸を手に持って、洗濯槽が回らないように両足を洗濯槽の壁に突っ張ってスイッチを押すんです。今考えると本当に危ないんですけど、当時の僕は「汚れた服と一緒に体も洗えるので一石二鳥」くらいに考えていました。冬は寒かったですけど。
――お話を聞いていると、貧しいなかでもすごく工夫をしながら生きていたといいますか。
風間 色々と工夫したり、試すのが楽しかったんですよね。大人になった今でも色々考えたりします。多分、そういうのが好きなんでしょうね。
専門学生の時も、1人暮らししていたアパートの部屋に冷蔵庫がなくて。うちに遊びに来た友達がたまたま牛乳を買って来たことがあったんですが、全部飲みきれなくて、夏場だったので「これ腐っちゃうな、どうすればいいかな」と思って。
で、思いついたのが「土の中に埋める」ことだったんですよ。
――土の中に?
風間 アパートの部屋が1階で、窓から出たらすぐに地面があったので、そこに。そのまま埋めると虫が来ちゃうから、近くの魚屋さんで発泡スチロールをもらってきて、そのなかに牛乳パックを入れて、土を深く掘って埋めたんですけど、意外によく冷えてました。
で、友達が来るときは砂を退けてから牛乳を出してあげるんです。そうすると「あ、そこが冷蔵庫なんだ」とびっくりしていましたけれど(笑)。
撮影=細田忠/文藝春秋
INFORMATION
風間トオルさんが、10月7日(土)より、舞台「最高のオバハン中島ハルコ」高松・大阪・長野・岩手・山形公演に出演。詳細はこちら⇒https://www.tohostage.com/haruko/