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若き松田おとなしかった!?

 活気不足!? の若鷹に対し、松田選手はどう思っているのか尋ねてみると、「(声の)出し方がわからないでしょ!?」と即答。第一線でプレーしながらも、若手の悩みに気付いていました。今の松田選手からは想像できませんが、「僕もそうだったから」と振り返ります。今となっては、松田選手はチームの中心メンバーで、実績もあり、立場的にも声を出しやすいです。しかし、ルーキーイヤーの2006年には、開幕スタメンをつかむも、そうそうたるメンバーの中で、当時の松田選手も今の若鷹と同じような悩みを抱えた時期があったといいます。

 松田選手の入団当初、同じグラウンドでプレーしていた先輩の柴原洋さんは、「マッチも入ってきた時は今みたいなキャラではなかったよ」と振り返ります。「(若手は)声出さないといけないけど、結果が伴わないとなかなか言えないよね。でも、アピールとして声出して、首脳陣に使ってみようと思わせないといけないし……矛盾してるけどね」。柴原さんのお話からも、若鷹のもどかしい気持ちを察します。「マッチも結果が出るようになってから、あんなふうにチームの盛り上げ役になっていったと思うよ」と柴原さん。

迷える若鷹にさりげなく助けの手を

 松田選手も通ってきた道だからこそ、愛情を持って若鷹を鼓舞してくれます。「2軍、3軍と1軍は雰囲気も違うし、萎縮してしまうのも当然! 1軍との違いを肌で感じてくれたら、それだけでもいい経験だしね。でも、それを乗り越えてきて欲しいよね」。思うように声を出せなかったという若鷹たちに対し、「でも、(堀内)汰門や谷川原、この間ベンチ入った松本(龍憲)なんかも頑張って声出してたよ」と評価してくれていました。

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愛情を持って若鷹を鼓舞している松田宣浩 ©文藝春秋

 きっと、頑張って声を出せたのも、松田選手のお陰。「“元気出せ~”ってベンチでマッチさんが声掛けてくれます。あんなに声出せる人、他にいないです」。谷川原捕手も松本龍選手も感激の様子でした。オープン戦で1軍初出場した3年目の黒瀬健太内野手も、「松田さんが“クロいくぞ~”といつもベンチで声掛けてくれるので、一緒になって声を出しやすかったです」と話していました。悩める若鷹にさりげなく助けの手を差し伸べてくれる優しい先輩です。

「僕も当時、小久保(裕紀)さんや(川崎)ムネさんについていくだけだったんでね。だから、先輩についていって(一緒に声)出せたらいいんじゃないですかね。……ってみんなに言っといてください」と熱男先輩がニコリ。

 声を出すのは、簡単なことのようで難しい。でも、それを乗り越えてこそつかめるチャンスがある。ホークスには、それをアシストしてくれる偉大な先輩がいる。“声”から様々なものが垣間見えました。若鷹たちが、この経験から“もう1頂!”乗り越えていく姿を楽しみにしていたいと思います。ということで、若鷹の皆さん、松田選手からの伝言でした!

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