GW明けに「起業したい」という相談が必ず増える…
いまは空前の「売り手市場」になっています。勤めている会社を辞めても、次に行く先は見つけやすい状況です。
すると、「こんな会社に居てもしょうがない」「未来がない」「だったら、起業したい」となる人が多いのです。毎年、大勢の若者が希望を胸に会社に入社しますが、GW明けには「起業するにはどうしたらいいですか?」という相談が殺到します。
思うがままにやりたい気持ちはわかります。しかし、現状のまま40代、50代となったらどうなるでしょう。十分にスキルを磨かず、専門性もないままでいたら、年齢を重ねるごとに市場価値は下がっていく一方です。「若さ」は労働市場で武器になりますが、その賞味期限は想像以上に短いのです。
自社の制度や環境の良し悪しにかかわらず、自らスキルを磨き、本当の「自由」を手にするために、迷える若いビジネスパーソンに勧めたいのは「複業」です。片手間でやる「副業」ではありません。文字通り、与えられた業務のみならず、みずから進んで複数の業務、複数の仕事を遂行し、「できること」をどんどん増やしていくのです。
それは時に、所属企業の枠を超えることもあるかもしれません。
これからのビジネスの世界はオープンワールド化する
拙著『29歳の教科書』で詳しく述べていますが、これからのビジネスシーンはRPGゲームでいうところの「オープンワールド」化していきます。
マーケットという名のオープンワールドを舞台に、あなたは冒険の旅に出るのです。
所属先がどこであれ、「できること」を明確に持ったプロフェッショナルたちが、「ギルド」で受託した「クエスト」ごとに「パーティ(プロジェクトチーム)」を組んで、職務を遂行していきます。難易度の高いクエストをやり通したパーティのメンバーにより大きな報酬が配分されるのも、RPGとまったく同じ。
しかし、そこで「若さ」に胡坐(あぐら)をかいて時間をただ漫然と浪費し、年齢を重ねただけでなんら「スキル」を持たないキャラクターがいたらどうでしょう。パーティへの参加を希望しても承認されず、誰からも声はかからず、やることが何もない状態になりかねません。