人気沸騰中の朝ドラ『虎に翼』で、女優・尾野真千子(42)のナレーションが密かな話題になっている。
ドラマの状況に加えて伊藤沙莉演じる主人公の心情を伝えることも多く、最初は「どうして本人がやらないの?」という声もあったが、次第に「寅子とのシンクロ感がすごい」や「語りは語りで楽しみ」と好評の声がSNSにあふれ、今ではすっかり『虎に翼』名物のひとつになった。
一部では「ひょっとしたら『おしん』のように壮年になったら尾野さんにキャスト交代するのでは?」という憶測も飛ぶほどだった。
尾野は1981年11月4日、奈良県吉野郡の西吉野村(現・五條市)で生まれた。14歳の春に映画監督の河瀬直美にスカウトされるまでは、女優や芸能人を志していたわけではなかったという。
「殯の森」で演じた森の中での生々しい濡れ場が話題に
翌年、15歳で河瀬監督の映画『萌の朱雀』で主演デビューし、シンガポール国際映画祭の主演女優賞や高崎映画祭の最優秀新人女優賞を受賞した。17歳で『NHKドラマ館 余命半年 生前給付3000万円の夢』でドラマデビューはしたが、焦って上京するわけでもなく、地元の高校を卒業してから18歳で本格的に女優・芸能活動を開始した。
以降はコンスタントに映画・ドラマに出演。大ブレイクは22歳の時だった。映画『世界の中心で、愛をさけぶ』への出演や、NHK大河ドラマ『義経』での滝沢秀明演じる源義経の正室役で全国区になり、24歳の時には朝ドラ『芋たこなんきん』にも出演。じつにスマートにキャリアをアップグレードしていった。
清純派のイメージが強かった尾野の転機となったのは、デビューのきっかけを作った河瀬監督の映画『殯の森』(07年)。約10年ぶりの河瀬監督とのタッグで、地元の奈良県で撮影、しかも演じる役名が「真千子」という、尾野の人生において記念すべき作品となった。中でも尾野が演じた森の中での濡れ場は大きな話題になった。