元タレントの中居正広と女性とのトラブルを巡るフジテレビの一連の問題で、同社と親会社のフジ・メディア・ホールディングスが設置した第三者委員会が3月31日、調査報告書を公表した。報告書は「女性が中居氏による性暴力の被害を受けた」「重大な人権侵害が発生した」とし、性暴力は「業務の延長線上」だと認定した。
一方女性アナウンサーが参加した、中居正広や編成幹部(=報告書ではB氏)らによる高級ホテルでのスイートルーム飲み会については「この時にB氏が会計を行ったスイートルームの料金は381,365円であり、番組のロケ等施設使用料の名目でCXに対し立替請求し、CXから支払を受けている」として、フジテレビの経費として処理されていたことが明らかになった。
だが、調査中の編成幹部が語っていたのは――。当時の記事を全文公開する。(初出:「週刊文春」3月13日号。年齢、肩書は当時のまま)
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2月24日、昼下がりのビジネス街で「週刊文春」の直撃取材に応じたフジテレビの編成幹部A氏は、絞り出すように語った。
「文春の記事は読みました。もし記事にあるような(参加女性が嫌がる等の)状況があったのであれば、申し訳なく思います。いろいろ振り返ると、総合的に反省しています」
そして、記者は次のように質問を重ねた。
――グランドハイアット東京などの高級ホテルで「部屋飲み」を行った際、ホテル代をフジの経費で処理していたのではないか?
「それは言えません」
元SMAPの中居正広(52)と芸能関係者X子さんを巡る性的トラブルが発覚して2カ月余。2月27日、フジの清水賢治社長は、2月の広告収入が前年比で90%強減少していることを明らかにした。
8割超もの広告スポンサーが離脱
「フジが1回目の会見を行った1月17日以降、1月末までにCMをACジャパンに差し替えたのは311社。例年2月のスポンサー企業は400社以上を数えたが、今年は2月25日現在で72社に留まった」(広告代理店関係者)
8割超もの広告スポンサーが離脱し、すでに黄信号が灯っているというのだ。
「1月30日、フジHDは25年3月期の業績見通しを下方修正。広告収入全体では、期初予想より233億円少ない1252億円になる見込みですが、2月の広告収入の減少幅は予想を超えており、さらなる下方修正は避けられません」(メガバンク幹部)
第三者委員会による調査は、現在、急ピッチで進められている。
「X子さんが相談した佐々木恭子アナや、当時のアナウンス室長を皮切りに調査を開始。A氏も連日呼ばれています」(フジ幹部)
一連の報道で「週刊文春」が問題視したのは、フジという巨大組織が中居から性的被害に遭ったと主張する女性の訴えを握り潰し、必要な調査をすることなく中居を起用し続けたことだ。