「業務の延長線上」で起きた「性暴力による重大な人権侵害」。第三者委員会が認定した中居と編成幹部A氏の罪とはいかなるものか。昨年12月1日の取材スタートから121日。「週刊文春」取材班が掴んだ全真相とは――。

中居正広 ©文藝春秋

「週刊文春」記者が初めて元フジテレビアナウンサーX子さんと対面したのは、昨年12月1日午後2時過ぎのこと。ベージュのロングコートに身を包んだ彼女は目深に被った帽子のつばを少し上げ、言葉を絞り出した。

「私の未来を、私の人生を潰してまで“加害者”に責任を取ってもらうことが私の人生にとって幸せかって言われたら分からない。でも、そりゃ社会的な処罰を受けてほしいって思うことはすごいある。やっぱりX(旧Twitter)やテレビで“加害者”や(編成幹部の)Aさんが目に付いたとき、それでフラッシュバックするし……」

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 2023年6月2日。彼女の人生を暗転させたのは、元SMAPの中居正広(52)による意に沿わない性的行為だった。彼女は中居を終始“加害者”と呼び、目を潤ませる。

「自分みたいな人間が増えないためにも……やっぱり業界が変わっていかないと。向こうは番組を作る側、キャスティングする側だから私たちに拒否権はないじゃないですか。(タレントへの接待に)行くしかないみたいな感じで。それが許される社会になっちゃったらいけないよな、って」

 最初の取材から4カ月。フジの第三者委員会は約2カ月間にわたる調査を経て、1つの結論を導き出した。

〈両者の権力格差、CX(フジテレビ)におけるタレントと社員との会食をめぐる業務実態などから、本事案は、CXの「業務の延長線上」における性暴力であったと認められる〉(調査報告書)

3月31日に行われた第三者委員会の会見 ©文藝春秋

浮き彫りになった中居の「嘘」

 今年2月、第三者委の調査が本格化する中、X子さんは「週刊文春」記者に葛藤の日々を明かしていた。

「当初、私はこの事件のことを隠したかった。世間に“被害者”と認識されたくなかったけど、こうして報じられ、誹謗中傷され、蔑まれ……。私のことを『もともとメンヘラだった』とか『精神的に不安定だから嘘をついている』と言ってくる人もいます。ずっとやるせない気持ちです。私には嘘をつくメリットが全くないのに」

 第三者委が公表した394枚に及ぶ調査報告書は、全面的に彼女の主張に沿ったものだった。一方、浮き彫りになったのは、中居が重ねた嘘の数々である。

〈今晩、ご飯どうですか?〉

 全ての始まりは事件当日、中居がX子さんに送信した一通のショートメールだった。

 現在配信中の「週刊文春電子版」および4月3日(木)発売の「週刊文春」では、X子さんの肉声に加え、中居の嘘の数々や日枝久氏の側近幹部へのインタビュー、反町理氏のハラスメント問題など中居フジ問題の全真相を報じている。

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中居正広&フジ日枝帝国 週刊文春がつかんだ全真相《総力取材121日》

中居正広&フジ日枝帝国 週刊文春がつかんだ全真相《総力取材121日》

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