フジテレビが設置した第三者委員会によって報告された元取締役で『プライムニュース』キャスター・反町(おさむ)氏の重要ハラスメント事案。この問題が再び指摘されたのはフジテレビに深く根ざした企業体質を示した出来事であるからに他ならない。報告書には本事案についてフジテレビ社員の声としてこのような記述がある。

「反町氏の事件が傷跡を残していると思う。そのときに事実をなかったことにして、女性二人が異動になって事が終わっており、反町氏への処分がなかった。今回もそうだが、限られた男性陣で事を納めようとする傾向がある。相談先の人が皆がセクハラをしているので、相談をしても甘い対応になるのでダメだと思っている」

 一体、何が起きていたのか。週刊文春が報じた2018年4月19日号の記事を無料公開するーー。(肩書き、年齢等は当時のまま)

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フジの切り札・反町理

〈今度は夕方のニュースを担当することになりました。どこに行っても記者、つまり“質問係のおじさん”しかできませんが、問題意識には徹底的にこだわってきましたし、これからも変わりません〉

 4月2日に始まった「プライムニュース イブニング」(以下、「イブニング」)。メインキャスターの反町理氏(53)はホームページで意気込みを語っている。

反町理氏(『プライムニュース』番組HPより)

 春の改編でフジは昼、夕方、夜の報道番組を「プライム」ブランドで統一。そのなかで「イブニング」は「プライム」の旗艦番組と位置付けられている。「プライム」統一は、ここ数年低迷を続けるフジにとって、起死回生をはかる大改革だという。

 元々、BSの一番組だった「プライムニュース」が地上波に“進出”したのには理由がある。

「2017年、宮内正喜氏が社長に就任。直前までBSフジ社長だった宮内氏は、報道担当の専務、編成部長をBS経験者で固めており、BSフジの成功例である『プライム』ブランドを地上波で放映するのは彼らの悲願でした。

 今回、『イブニング』のメインキャスターに抜擢された反町氏は、政治部が長く、官邸キャップ、政治部長などの要職を歴任。BSの『プライム』では、09年の放送開始から今年3月までメインキャスターをつとめ、数年間、編集長も兼務するなど、『ミスタープライム』と呼ばれる存在です」(フジ関係者)