若い男が女性に性的暴行をする目的で近所を徘徊し…
ソヒョン駅事件直後、インターネットには模倣犯罪を暗示する書き込みがさらに氾濫し、韓国の治安態勢をパニックに陥れた。警察庁は事件翌日から韓国全国に「特別治安活動」を宣言して人出の多い場所に1万2千人の警察を配置し、武装した警察特攻隊(SWAT)や装甲車を動員する特別警戒を開始した。特別治安活動とは、日常的な治安活動では治安維持が難しいと判断される際、人員と装備を集中投入する措置で、実際に施行されたのは今回が初めてだった。
しかし、これだけ厳重な警戒態勢を敷いたにもかかわらず、若い女性が住宅街の周辺の散策路で通り魔から性的暴行を受けるという事件が発生した。
8月17日の午前、ソウル市冠岳区新林洞(クァナクク・シンリムドン)の静かな公園。若い男が女性に性的暴行をする目的で近所を徘徊していた。そこへ、ちょうど30代女性が公園を通りかかると、その後頭部をナックルで殴って意識を失わせ、性的暴行に及んだ。被害者の悲鳴を聞いた通行人が警察に通報し、犯人は現場で逮捕されたが、被害者の女性は病院へ搬送された後、死亡が確認された。現場で逮捕された犯人は30歳の無職のチェ・ユンジョン。チェは動機について警察に「30年間で一度も女性と性的な関係になったことがなく、強姦をやってみたかった」と供述したという。
相次ぐ残酷な犯罪で死刑制度の復活を希望する世論が
犯罪専門家らによると、4件の事件の犯人には「ひきこもり」という共通点がある。チョン・ユジョンは両親と別れて祖父母の下で育ち、高校卒業後、就職活動に失敗。就職ができないまま5年間、友人もおらず、社会と断絶した生活を送っていた。チョ・ソンも祖母に育てられ、幼い頃の犯罪経歴が原因でまともな仕事を得られないまま、孤立した人生を送っていたという。
ソヒョン駅事件のチェ・ウォンジョンの場合は中産階級の家庭で育ったが、高校入試に失敗した後、家族とも関係が悪化。彼は両親が用意した高級マンションで一人暮らしをしていたが、唯一の対話相手がインターネット上で知り合った名前も分からない人々だったとされる。
新林洞の性的暴行容疑者のチェ・ユンジョンも主に自宅とネットカフェを行き来するだけの生活をしており、チェの携帯電話の通話履歴には友人と推定される人物との通話記録はなく、食べ物の配達のために食堂に電話をかけた履歴がほとんどだった。