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「肩にめり込むほど強く殴られ…」

 とりわけA氏が悩み苦しんだのが、X氏の暴力だった。

「餃子返し(餃子用ヘラ)の鋭利な金属部分が肩にめり込むほど強く殴られました」(同前)

「週刊文春」はこの時の写真を確認。餃子返しで殴られた肩の皮膚には、めり込んだ痕があり赤黒く腫れ上がっている。

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餃子返しで殴られた部分。腫れている

 A氏は2020年12月に退社し、労働審判を申し立てた。結局、未払い残業代として450万円が支払われることになったが、「(X氏による)数々の暴行は一切認めなかった」(同前)という。また、A氏は餃子の王将を運営する「王将フードサービス」にも調査と事案の公表を求めたが、「お客様の混乱を防ぐため公表するつもりはない」と断られたという。

「週刊文春」の記者はX氏を直撃したが、「あっ、そういうことでしたら、文書でお願いできますか」と語るのみ。その後、改めて店舗に質問状を送ると、締め切り期限を過ぎた後にX氏本人からメールで次のような回答があった。

「お問い合わせの内容は、2021年11月、労働審判手続にて、審判官をはじめとする労働審判委員会による審理の結果、調停成立して解決しており、内容の詳細については口外を控えさせていただきます。なお、私がご質問の暴行、暴言等の行為を行った事実はありませんので、事実と異なる報道をなさることのないよう、お願い申し上げます」

 王将フードサービスに聞いた。

現在は全国に732店舗を構える餃子の王将(HPより)

 X氏によるA氏への暴行や暴言などについて事実関係を確認すると、「A氏から陳情を受けた後、当該店舗の従業員及びオーナーに対し、個別にヒアリングを実施いたしましたが、事実は確認されませんでした」と回答。また、事案を公表しない理由については、「FC本部による事案の公表の是非は、事案内容や、他のお客様への影響の有無、店舗営業への影響の有無等に鑑みて、事案毎に慎重に判断する必要がございます。当事者間にて然るべき手続きを経て解決された本件につき、事案公表を行うことは、FC店の営業を妨害することにもなりかねませんので、現時点では本件を公表するつもりはございません」とした。

 現在配信中の「週刊文春電子版」では、「餃子の王将 下関長府マリン店」で起きた暴言・暴行・パワハラ事件について、A氏の告発を報じている。地元の名家出身だというオーナーX氏の人物像、A氏が受けた被害の全容、王将フードサービスの釈明などを、多数の写真やX氏の「暴言音声」などと共に配信している。

※X氏から締切期限を過ぎた後に回答が寄せられたため、追記しています(10月9日15時30分)。 

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