一方、ツチ族のお父さんは他の子どもたちを連れてビジネスの拠点にしていたコンゴの方に避難しようとバスに乗り込んだ際、きょうだいの一人が撃たれてしまったと聞きました。
ツチ族とフツ族の見分け方が「鼻のかたち」らしく、スッと鼻筋が通っているとツチ族、鼻が大きくて横に広がっていたらフツ族とみなされて、相手の民族に見つかれば殺されるような状況だったそうです。
ちなみに、エリックのお母さんはフツ族とウガンダとのミックスだったことでツチ族のお父さんと結婚できたそうですが、民族紛争の名残があるルワンダでは、いまだに両者間の結婚を認めない家庭もあるみたいです。
アフリカでは「白人やアジア人=金持ち」という印象が定着している
――ルワンダに逃げた後、エリックさんはどうされたのでしょうか。
さつき 避難先のルワンダでも1年後に紛争が起きてしまったので、結局、94年にブルンジに戻ったそうです。
――ブルンジが発展しきれていないというお話がありましたが、紛争が尾を引いていると感じますか。
さつき それは思いますね。私が最初に行った時も、新大統領がフツ族かツチ族かで治安が悪くなったりとか、「ちょっと外に出ないで」みたいな空気だったので。
――その後、お二人は2018年に結婚されました。ブルンジで国際結婚、特にアジア人との結婚は珍しいのでしょうか。
さつき アフリカの人からすると、「外国人=金持ち」みたいな感じで、リッチに思うみたいです。そこにアジア、ヨーロッパといった地域は関係なく、白人やアジア人を見たらお金持ちという印象のようですね。
知らない人から大統領まで、約1500人が来た結婚式
――お二人が結婚を決めた時、互いのご両親の反応はいかがでしたか。
さつき うちの両親は海外によく行っていることもあってか、国際結婚に対してなんの抵抗もなく受け入れてくれました。
エリックのご両親もウェルカムだったんですけど、アフリカではアジア製品とかの偽物がよく出回っているらしくて、「その日本人も偽物やないか」と思われてたみたいで、ブルンジに行った時、私のパスポートをこっそりチェックしてたらしいです(笑)。
――ブルンジで結婚式を挙げたそうですが、日本とはまた違いましたか。
さつき 一番驚いたのはその規模です。友だちの友だちの友だちの友だちとか、とにかくあらゆる人が来るんです。1500人くらいいたんじゃないかな。もう誰? って人ばっかりで、パーティ好きの人が見にくるみたいな感じで集まってくるんです。
挙式費用は20万円ぐらいやと思ってたんですけど、200万円も使っていたと後から聞きました(笑)。エリックのお父さんが出してくれていたので知らなかったです。