――ブルンジで200万はものすごく大金では。
さつき ブルンジの平均年収は3万円くらいなので、それを考えるとすごい金額ですよね。たしかに結婚式では、ブルンジでかなり有名な太鼓チームに演奏をお願いしていて。しかもたまたま結婚式を挙げた式場の横にあるサッカーコートに大統領がサッカーしに来てはって、その太鼓の音を聞いて驚いた大統領がこっちまで確認しに来はったんです。
――大統領が来るなんてことがあるんですね。
さつき その太鼓を使うのは政府関係の行事みたいな特別な時だけなので、「何事や」ってビックリされたみたいです。私たちはちゃんと許可をとっていたので問題はなかったんですけど。
「誰かが魔女に依頼して私たちに嫌がらせをしたのかもと…」
――ブルンジの結婚式で他にも驚いたことはありますか。
さつき 結婚式の前に、誰かが魔女に依頼して私たちに嫌がらせをしたんやないか、と思うようなことがありました。
――アフリカでは呪術が身近という話は聞いたことがありますが、魔女は一体どんなことをさつきさんたちに行ったのでしょうか……。
さつき 殺すまではいかないですけど、家の前にヘビの死骸を置かれたり、なくなったスリッパが出てきたと思ったら、それに触ったエリックの皮膚にブツブツが出てくるような変な病気になったり……結婚式前に、そういった変なことが相次いだんです。
付添人が結婚式の直前に突然亡くなり…
――それは誰かが魔女に「あの家を狙え」といった指示をしたということでしょうか。
さつき たぶん、そんなかたちで依頼したんだと思います。もしかすると、依頼したのはエリックのきょうだいの可能性もあるかなと思ってて。彼が外国人と結婚することに対する嫉妬というか、嫌がらせみたいな。
しかも、私の付添人が、結婚式の直前に突然亡くなったんです。めっちゃ元気な中年の女性だったのに死因もわからなくて。だからそれも魔女の呪いだったんちゃうんかと、私は勝手に思ってるんです。
――その後の生活もちょっと怖くなりますよね。
さつき ほんまそうで、この騒動以降、私たちも人からもらった食べ物とか絶対食べんようになりました。そんなことが起こるんやって本当に驚きましたけど、それでも今、日本とブルンジで住む場所に迷ってるんです。
写真=本人提供