――ヤンキーの友達(笑)。
未悠 変な目で見てくる人は確かにいましたけど、受け入れてくれる友達もいたので、それはラッキーだったんだろうなって思います。ただ学校では女の子たちと自然体でいられても、家ではある程度は男の子として振る舞う必要があって。「私」って言うだけで気持ち悪がられるし、でも「僕」とか「俺」は言えなかったから、私も歩夢と同じで一人称は「自分」に落ち着きました。
――家の雰囲気的には受け入れてもらえる気配は感じていましたか?
未悠 むしろ、「男らしくなれ」という強い圧を感じてました。小学生の頃から父親にボクシングの試合の映像を一緒に見ようと誘われて、たぶんボクサーのような強い男の人になってほしかったんだと思います。興味がなさすぎて全然覚えてないんですけど(笑)。むしろ私はモーニング娘。が好きで、後藤真希さんのようになりたいとずっと思ってました。
――芸能人を見るときも女性は「なりたい」、男性は「好き」という?
未悠 そうですね。なりたかったのは後藤真希さんで、好きだったのは小栗旬さんとか、松田翔太さん。「花より男子」のドラマが流行ってたので。あとは伊藤英明さんとか。
「見た目ゴリゴリに男だけどいいのかな」
――初めてお付き合いした相手も男性でしたか?
未悠 最初から男性でしたね。私は性別で迷った時期がほとんどない方で、自分は女性で、性的に男性に惹かれるという部分は最初から一貫してました。中学2年の時に最初の彼氏ができて、高校生のときも何人か。「見た目ゴリゴリに男だけどいいのかな」と私は思ってましたけど、それでもいいよ、可愛いよって言ってくれる人が何人かいたんですよね。
――彼氏は女の子として扱ってくれるけど、家では「男らしく」というギャップは苦しそうです。
未悠 高校に入ったくらいから隠すのもどんどんキツくなってきて、部屋もピンクにしてセーラームーンと西野カナのポスターを貼って、ってバレバレ状態でした。耐えきれず高2で母親にカミングアウトした時も「メイクをした跡も洗面台に残ってたし、そうかなと思ってた。やっぱりそうだよね」って言われました。
――母親は割とスムーズに受け入れてくれた?