「ここ、けっこう面白い店なんだよ」

 友人のB君といとこの3人で、沖縄県・金武町のキャバクラに遊びにいった筆者の神里純平さん……彼がそこで見た、ヤバすぎる「違法労働」の実態とは? 一部の県民のみぞ知るディープな沖縄情報を満載した『最新版 沖縄 裏の歩き方』(彩図社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/後編を読む)

沖縄県・金武町――筆者がそこで見た「違法労働」の実態とは?(写真:筆者提供)

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 ときおり全国ニュースで、沖縄のキャバクラや風俗店が未成年を働かせていたと報じられることがある。中には、沖縄では未成年が平気で風俗で働いているかのように発信するメディアもある。そのため、沖縄はそのあたりの意識がゆるいと思っている方は多いかもしれない。

 沖縄県民としては、誤解があれば訂正して正しい情報を発信したいところだが、あながち間違っているとは言えないのも事実。おおらかな県民性からか、田舎へ行けば未成年でも気にせず雇う経営者が少なくないのだ。

 この手のニュースは必ずといっていいほど女性の貧困とセットで報じられるが、手っ取り早いからとバイト感覚で働く未成年がいるのも事実。私も、そうした実態を期せずして目の当たりにすることがあった。

いとこと金武町へ行く

 金武町は沖縄高速自動車道を那覇から北上して1時間近くかかる場所である。下道から行くと約2時間である。

 当然、那覇に住んでいる者はまずここまで飲みにはいかないが、私は取材のために金武町へ行く必要があった。そこで金武町に住むいとこに飲みに連れて行ってくれるように頼んだ。ひとりだと道中で暇を持て余すので、普段キャバクラ遊びばかりしているB君を誘ってみることにした。

 B君は「わざわざ金武町まで飲みに行かなくてもいいだろう」と言っていたが、しつこく誘うとしぶしぶ了承してくれた。もっとも、米兵の多い金武町で飲む機会はめったにない。金武町が近づくにつれてB君のテンションも上がっていった。

 しかし、この時点では彼は想像していなかっただろう。数時間の遠征で警察沙汰に巻き込まれてしまうことを……。

 金武町に着き、いとこと合流して社交街を歩いた。異国感というか場末感というか、なんとも言えない雰囲気が辺りに漂っている。

 カフェテラスを少し汚くしたようなバーの奥で、黒人が奇声をあげながら踊り狂っているのが目に入った。絶句である。