AIが当たり前になる世界で私たちを取り巻く環境はどのように変わり、どう活用していけばよいのだろうか。ここでは堀江貴文氏の新刊『ChatGPT vs.未来のない仕事をする人たち』(サンマーク出版)より一部抜粋。

 ホリエモンが考えるAIとの向き合い方を紹介する。(全2回の前編/続きを読む)

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当たり障りのない仕事はすべてChatGPTに代わる

 自分がやる必要がなく当たり障りのない仕事はすべてChatGPTにアウトソースしてしまったほうがいい。

 真っ先に思いつくのは校長先生や町長の挨拶。皆さんに身近なところでは結婚式のスピーチなんかもあるだろうか。まず、平均的な合格点を出したいのであれば、真っ先にChatGPTに頼ってしまったほうが早い。

 様々な仕事に対するAIの影響について考えてみよう。

・スライド資料の作成

 AI研究の第一人者である東大の松尾豊さんは、生成AIがほとんどすべてのこれまでのホワイトカラーの仕事に影響を与えるとの見解を示している。私がすでにテキスト作業をChatGPTに代替させているように、アウトソーシング可能な作業から順次生成AIに取って代わられていくだろう。

 簡単なスライド資料の作成はもちろんのこと、日本の官僚がお家芸的に作成するパワポ曼荼羅(まんだら)だってAIが作ってくれるようになる。むしろ、より万人にわかりやすい形で改良してくれるだろう。だとすれば、大企業のビジネスパーソンが従事している仕事のほとんどが影響を受けざるを得ないのもうなずける。

・書類仕事

 書類仕事は、今後人間がやらなくて済むだろう。

 私は、2023年3月にリリースされたGPT-4をロケットの事業にも利用しはじめている。

 ロケット事業には役所へ提出するための膨大な書類作業がつきまとう。むしろ、文章を書くことが仕事の7~9割を占めるといっても過言ではない。その書類作業でChatGPTが大活躍するのだ。また、ロケットの打ち上げに必要な推進剤の流量の計算を頼むと、ChatGPTが結論を含めて計算式まですべて作ってくれる。これまで人間がやっていた地道な作業をChatGPTが代替してくれたことで、一気に生産性が上がった。

堀江貴文氏

・裁判官

 国内外でChatGPTが大学入試や専門職試験を次々と突破しているニュースが伝えられている。知識とロジックだけが問われる試験はChatGPTが最も得意な部類の試験なので、ある意味で当たり前だろう。司法試験さえAIが突破できるなら、裁判官すらBOTでいいのではないか。

 裁判官に限らず、知識を使ったエキスパートは、AIに代替されやすいように思う。