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テレビの仕事はほぼなくなる

 AIに音声合成技術を組み合わせれば、テレビ番組のナレーションやMCは要らなくなるだろう。深津さんが言うように、ChatGPTは万人向けのコンテンツを作るのが得意なので、当たり障りのないことばかり言っているMCは不要だ。

 同様に情報番組やバラエティ番組の放送作家が書く、予定調和で進む台本はAIでも書けそうだ。

 MCはVチューバー(*)のようなCGキャラクターに代行させ、天の声として出演者にコメントを求めればいい。「リアクションしてください」と出演者に指示出しするADなんかもiPhoneのようなリモコンのボタンで用が足りる。

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* Vtuber。本人ではなく、2Dや3DCGなどで作られたキャラクターで動画配信を行なう人のこと。VはバーチャルのV。
 

 では、制作者ではなく演者はどうか。

 私は予定調和を壊すノイズを出すことこそが人間の役割だと思っている。その意味で、芸人などは生き残っていきそうに思われるが、実はそうでもなさそうだ。人間が思うギャグとしての面白さや突拍子のなさをChatGPTに学習させれば、きっと絶妙なコメントだって返せるようになる。

 究極的には、M-1名場面集を学習させることで、漫才やコントのようなオリジナリティを求められるコンテンツすらAIは作れるようになるはずだ。

ChatGPTでビジネス書を作ってみたら…

 2023年春に、ChatGPTを使ってビジネス書を1冊作ってみた。タイトルは『夢を叶える力 あなたの未来を変えるための7つのステップ』。タイトル、コンセプト、章立て、カバーの写真まですべてAIによって作られている。正直いって、違和感はないだろう。

 制作のほとんどに私はかかわっていないのだが、当初はみんな気づいていなかった。Kindle Unlimited(キンドル・アンリミテッド)に出したら、結構読まれていて驚いた。ついているレビューの数から推測するに、そこら辺にある本よりは売れていると思う。