先日、観光ビザを使って3年半ぶりに中国に行ってきました。中国は厳しい行動制限を伴う「ゼロコロナ政策」を経て、さまざまなITツールが活用されるようになり、“中国人にとっては”より便利になったんです。しかし、外国人観光客にとっては不便になったと感じました。
キャッシュレス化が進みすぎて街からATMや両替施設が激減
例えば、コロナ禍以降、中国で急速にキャッシュレス化が進んだことで、街からATMや、日本円を人民元にする銀行の支店や両替施設が減っていました。3年半ぶりの中国散策だったのに、街歩きでも不便さを感じました。
また、コロナ前は外国人観光客も利用できたシェアサイクル。中国で銀行口座を開設してオンライン決済サービスと紐づければ、観光客もシェアサイクルを利用できたのに、コロナ禍の3年間で銀行口座が凍結されてしまい、決済できなくなって、利用できなくなっていました。コロナ前は僕自身、中国国内で問題なくオンライン決済などの各種サービスが使えたのに、いろいろ不便になったものです。
中国のネットサービスは当初、最低限のルールでサービスがスタートし、その時点だとフリーダムすぎて面白いのですが、普及するにつれてどんどん業界におけるルールが定まり、規制が強化されるようになりました。その影響で、中国の地方都市で行われたアニメやゲームのファン向けイベントに出向いたときには、こんなハプニングに見舞われました。
中国で開催されたイベントで、入場できないトラブル
「うわあ、入れないよ。情けない……」
イベントに入場しようとした矢先、入口で頭を抱えました。入口に入場券売り場はなく、入口までの柱のオブジェに美少女イラストとQRコードが印刷されたポスターがあり、スタッフは「それにスマホをかざしてデジタルで登録しろ」と言うわけです。
「わかった。中国語はできるので、登録しようじゃないの」とQRコードにスマホをかざすと、18桁の数字からなる中国人の身分証番号を入れる項目があるわけですよ。パスポートはアルファベットも含まれるし桁数も違うので、プログラムで弾かれてしまいます。
入場ゲートのスタッフは、なんでそんなに苦戦しているのか、と訝しげに私を見て、やり方を教えてくれるのですが、パスポートを見せて「外国人なんですよ……」と伝えると、「パスポートですって。入場どうすればいいですかね」とスタッフが対応に困ってしまいました。