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「もう会えないなんてウソだろ?」BUCK-TICKボーカル櫻井敦司57歳で急死「息子は芥川賞作家、最期までステージに立ち…」

「もう会えないなんてウソだろ?」BUCK-TICKボーカル櫻井敦司57歳で急死「息子は芥川賞作家、最期までステージに立ち…」

source : 週刊文春Webオリジナル

genre : エンタメ, 芸能

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 ロックバンド「BUCK-TICK」のボーカル、櫻井敦司さん(57)が19日、脳幹出血のため死去した。この日は横浜でファンクラブ限定ライブが行われていたが、櫻井さんはステージ上で体調不良を訴えたため、公演は途中で中止されていた。

急死した「BUCK-TICK」のボーカル櫻井敦司さん(公式HPより)

ラジカセのCM曲『JUST ONE MORE KISS』でブレイク

 鑑賞したファンが当時の状況を語る。

「1曲目『SCARECROW』を歌い終わった時に、櫻井さんがステージ上の階段でふらついて倒れてしまったのです。2曲目は座り込んで歌い、3曲目までなんとか歌い切ったのですが、その後スタッフの肩を借りてステージ袖に消えていった。客席からは声援が飛んでいたのですが、しばらくして『本日はここで中断します』というアナウンスが流れました。その後のツアーも公演中止となっていたので心配はしていたのですが、まさかあの日に亡くなっていたなんて……」

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「BUCK-TICK」は櫻井さんを含む群馬県出身の5人で結成し、バンドブームの最中の1987年にメジャーデビュー。髪を逆立てて、黒を基調とした衣装に身を包んだビジュアルで注目を浴びた。音楽評論家の平山雄一氏はデビュー当時の印象をこう振り返る。

「個性的なメイクや髪型をするバンドが少しずつ出始めている頃でしたが、その中でも抜群のビジュアルと、耽美的な世界観で観客の心を掴んだ。88年にビクターのラジカセのCM曲となった『JUST ONE MORE KISS』でブレイクし、日本レコード大賞新人賞を獲得。翌年にはデビュー2年にして日本武道館公演を果たすなど、爆発的な人気を誇りました」

ロックバンドBUCK-TICK(公式HPより)

ファンからは「魔王」と称され、愛されてきた

 新しいスタイルを切り拓き、後のビジュアル系バンドに大きな影響を与えた「BUCK-TICK」。櫻井さんは多くの楽曲で作詞を担当し、バンドを牽引。そのカリスマ性と美しい容姿から「魔王」と称され、ファンから愛されてきた。

「彼はどちらかというと寡黙で内に秘めるタイプ。音楽について積極的に語るタイプではありませんでしたが、『BUCK-TICK』のコンセプトには、作詞を担当する櫻井の志向が大きく働いていたものと思われます。彼は読書家で、ボードレールの詩集『悪の華』を楽曲のタイトルに使うなど、文学から大きな影響を受けていた」(平山氏)