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当然骨があるから1回では落とせないが、それでも2回くらいやれば指は落とせる。当然その痛さは想像を絶するものだし、落としても暫くは指があると身体が錯覚してしまう時がある。
“指を5回切り落とした”元ヤクザの両手
指を落とした後は、相手によっては病院代を渡して病院に走らせることもある。事故などで落とした指を持っていけば、時間が経っていなかったら冷凍していたりすればくっ付くこともあるらしい。こっちはその指をケジメとして渡していて、そもそもくっ付ける指では無いと思っているからそのようなことはしない。
傷口は病院で縫ってもらうのだが、指を切ったらどうしても骨が出てくるから、その骨を削る必要がある。そして余分な部分をペンチに似た医療道具でパチンと切って、肉を縫う。これは声が出そうになるほど痛いので、もう経験はしたくはない。
当然、行く医者によって技術は変わる。
やはり事務所の近くにある医者はある意味それらに慣れているからうまいけど、こっちは場面で指を落とすから、いつも同じ医者に行くとは限らない。下手な医者に行くと、なかなか往生することもあった。
慣れている医者だと動じることも無く淡々と進めるが、まだ若い医者や緊急で行かざるを得ない病院の研修医とかに当たると、向こうも慣れていないのでやはり焦りが生じる。わしの指の一部は、縫い方が逆になっている。
落とした指の処理の方法は組織によって違う。
普通は、組事務所ならどこにでも置いてある神棚に祀って、暫くしてから土に埋めるのが習わしだ。だが一方で、指をゴミに出したりする組織もある。
「こんな指要らん」と、捨て台詞を吐かれてだ。