それは相手組織や人に対する威嚇みたいな意味があるので、普通は神棚に祀る方法が一般的だと思う。
埋める場所は決まっていないが、組織によっては指の墓である指塚や記念碑を建立している組織もある。
実際にわしは組長という立場だったから、何度も指をもらったこともある。
小さいアルコールが入った小瓶で若い衆が持って来るから、受け取って神棚に祀って供養をした。一番多いときで、確か4本くらい祀ってあった記憶がある。
ただ、わし自身は指を落としているが、若い衆に指を落とされるのが嫌いで、親からもらった指を勝手に切るなと常々言っていた。それでもやはり親であるわしや相手組織、人に対するケジメがあるから、結局指を落としてしまうこともある。
今のヤクザが指を詰めない理由
わしは、相手に指を持って行く前に相談しろ、と言っていたが、若頭や幹部が「親父に対して申し訳ないから」と言って落として持ってくるケースが多かった。
わしは昔から、ヤクザを辞めてカタギになりたいという人間は喜んでカタギにさせていた。そしてその時も、当然指はもらわない。
指が無くて人前に出られなくなると、また、元の世界に戻ってしまうし、指が無いカタギなんかは事故とかで失ってしまう人間を除いて本当に少ないからだ。
最近は指を詰めたり、取るような行為は減っていると思う。組の場合は指を取ったら、傷害のイヤキチで組長が逮捕されてしまうような時代だ。今、指を詰める人はほとんどいなくなっているだろう。もちろん場面によっては指を詰めて取る場合が無いとは言えない。
わしらの時代は、結局、親分に対して申し訳ない、組に対して申し訳ないということで若い衆が下手を打ったら指を詰めていた。