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「悪い、勘弁してくれ。何日かすれば…」杉良太郎が明かした小渕恵三元総理との“最後の会話”

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「遠山の金さん」や「文五捕物絵図」など、1400本以上の時代劇で主演を務めてきた、歌手で俳優の杉良太郎(79)が、2000年に脳梗塞で倒れ急逝した小渕恵三元総理との知られざる交友と突然の別れを月刊「文藝春秋」に語った。

杉良太郎氏

 来年には芸能活動60周年を迎える杉だが、一方で刑務所慰問や被災地支援など、時には私財を投じての福祉活動でも知られる。長年にわたる慈善活動は高く評価され、2008年には芸能人初の緑綬褒章を受章。現在は法務省特別矯正監(永久委嘱)、厚生労働省健康行政特別参与、警察庁特別防犯対策監(永久委嘱)を務めている。

 そうした活動の中で生まれた杉の人脈は、芸能界のみならず政財官界にも広がる。杉が懇意にしてきた今は亡き政治家の中には、福田赳夫、竹下登、橋本龍太郎など歴代総理の名前も並ぶ。小渕恵三氏もその一人だ。

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小渕恵三氏 ©時事通信

裏から出入りできる場所はないかな」

 2000年4月2日、東京プリンスホテルでは、杉と歌手の伍代夏子との結婚披露宴が執り行われていた。

 当時、杉は日・ベトナム文化交流協会理事長を務めており、同協会の会長だった小渕氏とは、公私にわたって深交を結んでいた。披露宴当日、小渕氏は主賓として挨拶をする予定だったという。

 杉本人が語る。

「披露宴当日の昼、小渕先生から突然電話があった。『東京プリンスには、裏から出入りできる場所はないかな』と。電話を切った後、すぐにまたかかってきたんだ。

『本当に申し訳ないけど、今日は行けない。悪い、勘弁してくれ。何日かすればわかる。悪い、申し訳ない』