文春オンライン

「悪い、勘弁してくれ。何日かすれば…」杉良太郎が明かした小渕恵三元総理との“最後の会話”

note

『悪い、悪い』っていうのは、小渕さんの口癖だったんだけど、この時の『悪い』には、いつもとは違う切迫感があった。それでもまさか脳梗塞だったなんて、思いもしなかった」

夜逃げみたいに荷物をまとめた

 小渕氏に代わり急遽、橋本龍太郎氏が挨拶し、披露宴は無事に終了したという。

「夜はプリンスホテルの部屋で、伍代と一息ついていた。ワインを一口飲んだところで、ニュースキャスターが、小渕総理が脳梗塞で倒れて集中治療室に入ったって言う。

ADVERTISEMENT

『こんなとこでのんびりしてられないぞ!』って夜逃げみたいに荷物をまとめて、すぐに家に帰った。でも小渕さんはその後、意識を取り戻すことなく亡くなった。

 民間人としては、最後に会話をしたのが僕だった」

 杉はその後、2カ月の間、毎日のように小渕氏を偲び、涙に暮れていたという。

「毎日泣いた。『なんで死んだんだよ!』って。僕の名刺入れには、小渕さんの写真だけ入ってる。いつも近くで見守ってくださるようにね」

安倍晋三氏 ©文藝春秋

 小渕氏だけでなく、これまで杉は、何人もの政治家の死に接してきた。11月10日(金)発売の「文藝春秋」では、安倍晋三氏への涙の謝罪や、田中角栄氏の事務所で見た札束、竹下登氏への1時間半にわたる説教など、杉が歴代総理との知られざる思い出を語り尽くしている。「文藝春秋 電子版」では11月9日(木)に公開。

「悪い、勘弁してくれ。何日かすれば…」杉良太郎が明かした小渕恵三元総理との“最後の会話”

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文藝春秋をフォロー