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酒井 そもそもそこまで真面目に考えていることがないです。

――例えば、収録されたコラムの中にはご家族とすき焼きを食べた話(「SUKIYAKI」)があったじゃないですか。とても素敵なエピソードなんですが、感動的な方向に進むかと思いきや、急にCRスキヤキという架空のパチンコ台の話が挿し込まれてて(笑)。そういうところでエモくしたくない気持ちがあるのかと思ったんです。

酒井 どこかで調整してるのかなあ。計算ではやってないです。

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――難しい単語を使わず、「すげー」「やべー」「かっけー」のような簡単な言葉で気持ちを表しているのも読みやすくて、感情移入しやすかったですよ。

酒井 言葉を知らないだけですよ(笑)。マジで知らないだけ。

「『本になるよ』って話を聞いた時は本当にビックリ」

――読み進めているうちに酒井さんの軽い文体が逆にクセになってきましたよ。出版社の方とも話したんですが、実は酒井さんに素晴らしい文才があるんじゃないかと。

酒井 ないですよ!(笑) 文才はないっす。

――ここまでお話を聞いてきて……いろいろと深読みしちゃうのはラジオリスナーの悪い癖だなと反省しました(苦笑)。

酒井 そうそう。何にも考えてないんだから。

――出版社の方がいる前なんで、言い方が難しいんですけど……じゃあ、ここまでの話を総合すると、「適当にコラムを書いてたら運よく本になっちゃった」ぐらいのことなんですね?

酒井 本当にそうです(笑)。だから、「本になるよ」って話を聞いた時は本当にビックリしました。それでいいのかなって。

――本の中では特別企画としてザ・クロマニヨンズの真島昌利さんとの対談も掲載されていますね。

憧れのザ・クロマニヨンズ・真島昌利さんとのツーショット ©リットーミュージック

酒井 ずっと好きだったんで、会えて嬉しかったですよ。ニコニコ笑って話を聞いてくれる本当に神みたいな人でした。『沈黙の金曜日』(FM FUJI)のゲストにアーティストが来た時、いつも素の部分を出してほしいって思っているんですよ。そのスタンスだけ忘れないで、マーシーさんとも対談しようと思ったけど、出てきたらこっちがかかっちゃって、かかっちゃって(苦笑)。全然そんなんじゃなかったですね。普段とは違って意識しすぎたのがよくなかった。でも、いっぱい喋ってくれましたね。

――どういう経緯で真島さんとの対談は実現したんですか?