11月23日、37歳の誕生日を迎えた田中みな実さん。TBSの局アナ時代に“ぶりっ子キャラ”で一世を風靡していたのはもう遠い過去で、現在はドラマに引っ張りだこの“売れっ子女優”の一人ではないでしょうか。元女子アナという印象も少しずつ薄れてきていますので、今や「フリーアナウンサー」というよりも「俳優」というイメージのほうが強いという人もいるかもしれません。

 今年9月いっぱいで、トークバラエティ番組『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系)のMCから卒業。今後、田中さんが俳優としてさらに活躍の幅を広げる可能性とその背景について、考察したいと思います。

“あざと”ポーズも見納めになった(弘中綾香アナSNSより)

TBS退社後は「アナウンサー」中心

 田中さんは2009年にTBSに入社し、2014年に退社してからは、宮根誠司さんや羽鳥慎一さんといった人気フリーアナを擁する芸能事務所「テイクオフ」に所属。この事務所選びからして、当時の彼女は引き続き、「アナウンサー」として活動していくことに軸足を置いていたと筆者は考えていました。

ADVERTISEMENT

 ただ、TBS時代に“ぶりっ子キャラ”でブレイクしていたこともあり、王道のアナウンサーやキャスターの仕事で大きな注目を集めることはあまりなかったように思います。そんな彼女がバラエティ番組やトーク番組で再び脚光を浴びたのは、恋愛観や人生観で内に秘めていた“闇”を赤裸々に語るようになってから。

「第49回ベストドレッサー賞」(2020年)を受賞した田中みな実 ©共同通信社

 例えば2017年に放送されたバラエティ番組『ちょっとザワつくイメージ調査 もしかしてズレてる?』(フジテレビ系)に出演したときのこと。一人暮らしの自宅に帰った際、「誰かに電話したいと思って電話を取り出す。(しかし)一人も電話できる人がいない」と気づき、孤独感から涙を流すと吐露。ジムでキックボクシングをするシーンでは、最近誰かを殴りたくなったことはあるかと尋ねられると、「そういう感情も忘れてたから。いろんな感情を捨ててたので」とどこか達観したような、それでいて“闇”の深さが見える至言を放っていました。

 田中さんのイメージチェンジはそれだけではありませんでした。エステ通い、ジム通いは当たり前で、食事は果物を積極的に摂りつつ、水の摂取方法にも気を付けており、ボディラインをチェックするために自宅では水着で過ごす――。こういった徹底した美容へのこだわりを発信していくようになるのです。