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 最近は富良野も大人気だ。富良野スキー場のゲレンデ前に2020年冬にオープンしたFenix Furanoは全33戸が販売開始3か月で完売。購入客の多くが香港、オーストラリア、ベトナムなどの外国人富裕層だった。2022年に竣工したFenix West の販売価格は100㎡、3ベッドルーム(定員6名)で1億4500万円だ。坪単価で480万円程度。

Fenix Furano(富良野市、筆者撮影)

今のところ外国人富裕層が中心

 運用のほうはどうだろうか。宿泊料は1泊5万円から数十万円と高価格である。部屋が広く、キッチン付きでまるで自分の別荘のように過ごせる点が、ホテルにはない魅力としてリゾート地に長く滞在する外国人富裕層に好評だ。ただ、スキーリゾートではシーズンがあるため利回りとしては手数料などを控除後で約2%から3%程度のところが多いようだ。高利回りというわけではないが、減価償却費が計上でき、何といっても自身で好きな時に利用できるのが強みだ。

 リゾート会員権などだと、1つの部屋を複数のオーナーで共有するので、なかなか希望する日に利用できないことがネックとなるが、ホテルコンドミニアムではその心配がない。私物を置くことはできないが、オーナーのための専用ロッカーなどが設置され、日ごろの清掃や建物管理はお任せで安心だ。

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 こうした使い勝手の良さや建物維持管理を高級ホテルなどが行ってくれることが安心材料ともなり、最近では日本人富裕層の間でも投資をする人が増えてきている。利用と運用のいわば「いいとこどり」をしたホテルコンドミニアムだが、実は欧米の投資家の間ではポピュラーな投資対象であり、最近ではアジアの富裕層にも広がってきている。東南アジアのリゾート地などでも最近はこうしたタイプのホテルが増えている。

 これは開発を行うデベロッパー側からみても、開発に伴う多額の投資金額をコンドミニアムやヴィラなどを併設して投資家に販売することで、資金の一部を早期に回収できてしまうメリットがある。いわば互いにウィンウィンの関係で成立していることで、ホテルコンドミニアムは急成長しているのである。

 オーナーも利用者も今のところ外国人富裕層が中心。しかも欧米人だけだと思いきや、最近は中国だけでなく、台湾、香港、東南アジア諸国の富裕層からも絶大な人気のホテルコンドミニアム。懐の寂しい日本人一般庶民はそんなコンドミニアムを傍目に、休日を過ごしているのだ。