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名前は偽名、年齢は20歳も下にサバ読みしていた

 その延長で起きたのが、前回触れた丹羽の “チェーンソー騒動”だ。

「ただ、相手の女性は1人や2人じゃありませんでした。きつめの口論になり、丹羽は最初の女の人さえ家に来なければバレなかったのにと言って、『殺してやる!』とチェーンソーを持ち出したことがありました。その時は私と知香で止めました。コロナの前から、疑わしいことは何度もありました。仕事の長続きしない丹羽が、派遣登録したアルバイトで、やれ休日出勤だ、残業だと言って出かけていくのを見て、仕事をがんばっているんだと信じていました。でも、それは女と遊ぶためでした」(石井)

丹羽洋樹被告

 以後、石井は「心のダメージが大きく、頭が回らない状態になっていた」と訴える。

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「信じていたものが全て嘘だったんだと、ショックを受けました」(石井)

 付言しておくと、先だって石井の裁判に証人出廷した丹羽も、同様のセリフを吐いている。石井は逮捕されるまで、名前を「ナカムラアオイ」と偽り、年齢を20歳も下にサバ読みして、丹羽と交際を続けていたのだ。

「今までの10年間、交際期間に(石井が)言ってきた言葉は、全て嘘だったということです」(11月10日・丹羽の証言)

石井と知香の食い違う証言

 前後して、そんな2人の暮らす家に流れ着いたのが、大阪から駆け落ち同然で本庄の男性に嫁いだ知香と、一人息子の歩夢くんだった。2020年7月、夫のDVから逃げ出した知香は、歩夢くんを連れて保育園のママ友だったX子さんのアパートに身を寄せる。X子さん宅の近隣に住んでいたのが、石井と丹羽。双子を育てるシングルマザーだったX子さんは当時、石井たちと親しい間柄にあり、その輪に知香も加わった。だが――。

柿本知香被告と歩夢くん(柿本のフェイスブックより)

「ママ友というだけで一緒に生活を始め、やがてX子さんと知香がお互いに不平不満を持つようになりました。私はそれぞれから愚痴を聞かされ、板挟みになって辛い時期がありました。2022年1月のはじめ、2人が怒鳴り合いの大喧嘩をし、X子さんが『すぐに出て行ってほしい』、知香も『X子が歩夢を邪険にする』と。実家とも縁を切っている知香は行く場所がなく、『家においてくれないか』と頼まれて、仕方なく我が家に住まわせることにしたんです」(石井)

 だが、知香の法廷証言によれば、石井から「X子が歩夢の悪口を言っている」「X子を信じるな」と言われたといい、彼女と仲違いした際、「うちに来たらいい」と誘ってきたのは、石井の方だったという。派遣社員として工場で働いていた知香は、給料が振り込まれる銀行口座のキャッシュカードや通帳を石井に預ける一方、丹羽の添削で同居にあたっての「誓約書」を作成。2021年1月11日から事件の現場となった家で同居を始めた。