こうしたUSBメモリの容量詐欺をチェックできる専用のソフトが存在します。「ValiDrive」がそれで、このソフトを使ってUSBメモリをスキャンすると、エクスプローラ上で表示される容量と、実容量と比較し、どの程度の差があるかを教えてくれます。
今回筆者が入手した容量詐欺のUSBメモリは、このソフトでスキャンする限り、実容量は29.2GBしかありません。2TBの大容量で余裕があると信じ込み、データを保存していっても、この29.2GBを超えたところで、データは保存できなくなってしまうというわけです。
公称値のわずか数%の容量しかないといっても、買ってすぐにいきなり30GB前後ものデータを書き込むケースは稀でしょう。そのため、容量が実態と異なっていることが発覚するのは、ずっと先になってしまうというわけです。
30GB以上のデータを書き込んでもエラーがでない巧妙さ
「まあそれでも、書き込んだデータが29.2GBを超えた時点でエラーが出て、容量がおかしいことが分かるのでは?」と思うかもしれませんが、そんなに甘いものではありません。実際にはこうしたエラーは出ず、見た目はそのまま書き込めてしまいます。
実際に、29.2GBを超えるデータを書き込んでみました。具体的には、約1GBの動画ファイルを複製して連番を振り、順番に書き込んだところ、40番目までの書き込みで、特にエラーが表示されることはなく、すんなり書き込めてしまいました。
ところが再生を行おうとすると、31番目以降のファイルは再生が行えません。エクスプローラで見ると、サムネイルが表示されているのは30番目のファイルまでで、31番目以降はサムネイルが表示されていません。どれも元は同一のファイルのはずですが、31番目以降のファイルは、それより前のファイルとは何かが違うことが分かります。