USBメモリの大容量化に伴って、耳にするようになってきたのが、パッケージに書かれた容量と実際の容量が異なる、いわゆる「容量詐欺」です。特にAmazonなどで格安のノーブランド製品を買うと、こうした製品を引き当ててしまうケースがあるようです。

 これが厄介な理由は、エクスプローラ上でも偽りの容量が表示されるため、見た目の判別が極めて困難なことです。この、PCが詳しい人でもひっかかりがちな「容量詐欺」のUSBメモリについて、今回実際に該当の製品を入手しましたので、その具体的な挙動を検証していきます。

一見するとスリムかつスタイリッシュなUSBメモリですが、実はこれ「容量詐欺」USBメモリです

単純に容量が違うのではなく、PCでも2TBと表示されるのが厄介

 こうした容量詐欺と呼ばれるUSBメモリは、1TBや2TBといった、すぐには使い切れない大容量のUSBメモリに多く見られます。理由は簡単で、すぐに使い切ってしまう容量だとユーザにすぐに気づかれてしまうからです。また大容量でないと売価を高く設定できないので、詐欺をするにも旨味がないという、現実的な理由もあるでしょう。

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 これら容量詐欺メモリは、単純にパッケージと実際の容量が違うのではなく、Windowsのエクスプローラ上でも、偽りの容量が表示されます。例えば今回筆者が入手した製品は、スペック上は2TBとされていながら、実際の容量はそのわずか数%にあたる約29.2GBしかありません。ところがWindowsのエクスプローラでは、公称値そのままの2TBと表示されてしまうため、まんまと騙されてしまうというわけです。

Amazonの製品ページ。2TBという大容量、さらにUSB 3.0に対応するなど高速でありながら実売価格はたった1,999円と、相場を大幅に下回る価格で販売されています 
購入したところ翌日には到着しました。ノーブランドのビニールパッケージですが、この段階ではおかしなところは特にありません
製品本体。こちらも特におかしなところはありません。表面のロゴこそありませんが、製品ページに掲載されている外観とも一致しています
USBポートに挿入すると、1.90TBの空き容量があるUSBドライブとして認識されました。ここでもまだ異常はありません
プロパティを見ても、具体的な使用領域および空き領域がバイト数で表示されており、いかにも本物のように見えます。しかし、実はこれらはすべてフェイクです