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あくまでも動物実験ですが、サーカディアンリズムは多くの生き物に共通する特徴ですので、人間にも当てはまる可能性は非常に高いでしょう。

運動はウォーキングなど有酸素運動がいい

寝ている間にオートファジーが起こるのは「人間には睡眠がなぜ必要か」とも関係しているかもしれません。サーカディアンリズムに従ってオートファジーが上がったり下がったりしていることは、オートファジーが睡眠の質を左右している可能性を示しています。もしかしたらオートファジーを上げることで睡眠の質をよくすることもできるかもしれません。

適度な運動がオートファジーを活性化させることもわかっています。

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運動が体に良いのはみなさんも感覚としてわかるでしょう。体を動かさないよりは動かした方が良いのは間違いありません。オートファジーにはウォーキングなどの有酸素運動が有効です。これも動物実験で証明されています。

フィットネスクラブに行く人はトレッドミルと呼ばれる機械をご存じでしょう。有酸素運動用のトレーニングマシーンで、ベルトコンベヤーが動く上を人が走ったり、歩いたりします。

実験用トレッドミルでマウスを走らせたところ、筋肉のオートファジーの量が増え、糖尿病になりにくくなった報告があります。マウスの実験結果ですので、人間にどこまで効果があるかわかりませんが、人間と同じ哺乳類ですのでオートファジーが活性化する効果は見込めるはずです。

過度な断食は「手足が細くてポッコリお腹」になる

食生活や睡眠、運動などによってオートファジーを高める習慣を早くから身につけていると健康寿命も延ばせると考えられます。

1、食事――一日三食、腹八分、寝る間際は食べない

何をどのように食べるべきかは、第2回記事〈「ペットボトルのお茶」は濃いものを選ぶ…オートファジーで細胞から若返る「最強の食事術」8つのコツ〉を参照してください。

まず、大前提として、カロリーを制限すればオートファジーの働きが活性化して健康寿命が延びます。カロリー制限の方法は問いません。一定期間の総カロリーを抑えればオートファジーは活性化します。