早く、皆さんにこの結末をお見せしたい!
――5巻のラストについてお伺いします。終盤、開君の希望に満ちたモノローグがあって、その後とんでもない一波乱がありますよね?
はるな この先もお話が続くからこそというか、全然終わらねえよ?って感じですかね(笑)。とはいえ、何かしらの区切りはつけなきゃいけないのと、媒体的にホラーっぽいものを求められている気がしていたので、あの終わり方になりました。希望のある終わり方にしても引きにはならないという打算もあります。
――話せる範囲で、今後の展開についてお聞かせ願えますか?
はるな ここまでのジャン君は不穏な空気だけ出していましたが、ここからようやく彼の本当の姿が見えてきます。そして、開君が究極の選択を迫られます。そこで開君が何を選択していくのか……。
――ひー、怖いです!
はるな 4巻まで読んだ方からも、「本当に怖い」と言っていただくことが多くて。でも、4巻時点では私自身は何も怖くないつもりで描いていたので、「これからもっと怖くなります。ごめんなさい!」と。
ただ、怖さの種類がちょっと変わってくるかもしれません。もちろん、ホラーとして描きたい訳ではなくて、最終的には人生に還元して役に立つものが描きたいんです。ひたすらエンタメに徹した作品も役に立つし、そういうものが描ける人は心から尊敬しますけど、どうやら私はそっちのタイプのマンガ家ではない。それに、本当に人間の面白い部分を描けば、自ずとエンタメにもなるとも思っていて。
――そうですね。ジャン君は不穏な表情を見せつつ、開君の気持ちが下向きになっていると士気をあげるいいことを言ったりする簡単に善悪ではくくれない人。だからこそ、「この人のことをもっと知りたい!」となります。
はるな ジャン君も開君も本当に魅力的な人物だと思います。本質的には対極にいるんだけど、表面的にはかなり密接な所にいて相性もいいという。この先、ふたりの関係性が変化していく過程で、人間の生々しさみたいなものを描けるんじゃないかと思っています。成功にはネガティブな面もいっぱいある。みんなが思い描く成功とは、ちょっと違うものが描けたらいいなとも。
――ちなみに、構想としてはどれぐらいの長さになるのでしょう?
はるな 当初は20巻ぐらいになるかもと思っていましたが、早く皆さんに結末を見せたい気持ちが強くなってきたので、できれば10巻ぐらいで描き切りたいなと。やっと地ならしが出来たので、ここから家を建て始めるぞ!というところではありますが。
――楽しみです。続きはどこで読めるのか、現時点で告知できることはありますか?
はるな じきにお伝え出来るかと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします!